小説『ヒューマンズチェスト、奇妙なる椅子の名前に関して』【ニャンノ世界】
『ヒューマンズチェスト、奇妙なる椅子の名前に関して』
其は空想の中であれば
よかったものの、
怪奇で奇妙な気味の悪さは
君の成果とでも言えよう
其程までに
兎に角、彼女は
心労の中で
死神が囁くような声を聞いた。
あぁ、この粒さの
時間に、鶏の如く
苦しみが忘却の彼方へと
行ってしまえば
楽になるのに…
だが、
其が彼女のうちで
再び復活することなどなく
寧ろ、心労の悪化によって
更なる、苦しみを
味わうことになった
嘆きの爪が
彼女の判断を鈍らせたのだ。
爪の隙間から悪魔がいるのでは?
と、この不愉快で愉快な
心地よさの中に
幻想的なチーズをしきめつれば
いっそ、楽になるのではと
彼女は御河澄心は思ったが
頭を振った、
この苦しみが消えたら
私の書くべき道
というものは
粉粒のように消える
もの
ならば、この奇っ怪な怪異と
向き合うことこそが
私の創作なのだろう
心労、あれば、創作の毒が増す
今の我が道は
蛾と蝶、あるいは雑草のごとき
語り草に違いあらん。
帝都の江戸川の水は
終末によって
枯れ果てたから
水が恋しく思うしかりて
外縁の砂漠に悪魔がいるのだろうから…
呪文
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