『ニャンこな戦記ー紛争地での食事ー』【ニャンノ世界】
海野こなつは元の世界から転移してきた
異世界者である。
なぜ、転移してきたかは不明、
だが、一つ言えることは
転移しなかった場合、
溺れてしまっていた。
天からの声が聞こえた…
「生きたいか…」
心の中でうなずいた
「だが、君の運命は死神によって、ここで沈む定めだったのだ…前世は、伊19として活躍していたのだがな」
「伊19!?って何?」
海野こなつは謎の声に聞く
「伊19は一度の雷撃で空母や駆逐艦を沈め、戦艦を大破させた武勲艦ぞ、君の前世は伊19、大日本帝国海軍の潜水艦だったのだ」
「で、私は…どうなるのこのままだと…」
「間違いなく死んでしまう」
「えっえぇ!」
「だが、私の助けがあれば、死なない…だけど、条件がある」
「条件…」
その条件をこなつは承諾した
「狂気渦巻くニャンノ世界で反抗することだ」
「ニャンノ世界…」
こなつは、あくまでも噂の限りで知っている。その世界は、他の世界と比べ、狂気的なキャラたちが跋扈しており、常人になった瞬間もといネームドでないキャラは、即効で退場してしまう厳しい世界なのだという…いわば、修羅の世界…、こなつが生き抜くには…厳しいかもしれない、その世界で、彼女は天秤にかける。
ここで溺れてしまうか…
謎の声に従い、ニャンノ世界で生きるか…
二つに一つ…いや、一つだった。
「生きたい!ニャンノ世界に連れてって」
こなつは生き残れるチャンスがあれば
しぶとく生きる、だって、
世界は、見えてる全てが美しいのだから…
「よろしい、それじゃあお主を、ニャンノ世界に連れてってやろう」
こうして、海野こなつは
元いた世界からニャンノ世界へ転移する
いわば、異世界転移物の始まりなのだ。
目が覚めた場所は訓練基地
アミガルズの訓練基地である。
ここで、彼女は新兵として厳しい訓練をたえぬき、訓練所を卒業し、
はじめての作戦地域は
このノスタリア共和国であった。
寒い場所…こなつは慣れなかった。
南国育ちなためか…
ぶるぶる震えていると
「爆弾おにぎり食べるか…」
差し出される爆弾おにぎりを、
こなつは頬張る。
「ありがとうございます!」
死ぬかもしれない、雪降りし
不毛の大地にて食べた温かなおにぎりは
こなつにとって、忘れることのない
大切な食べ物となった。
「それは、よかったよ、ネオ越夜隊を倒して日常を取り戻すぞ、グッドラック」
「はい!」
爆弾おにぎりをくれた先輩兵士との
会話はこれで最期となった。
「伍長…どうして…」
「泣くな新人、泣く時間があったら一人でも多くの敵を倒せ」
修正される海野二等兵
「戦わなければやられる…戦場では、優しさは死を意味するぞ」
「ぐっ…」
辛かった…彼女は
ノスタリア戦域が単純な正義と悪では語れない複雑な場所…いわば、
生きながらに地獄を歩んでいる感覚を覚えた。
これが…戦争なのだと…
脳内で理解した時、
何かが、こなつの中で
変わっていくのを覚えた。
瞳のキラキラが無くなり、
その瞳は狩人のごとく冷静なる氷と変わる。
海野は、伍長を失って以来、
常に氷のマスクを外すことはなかった。
笑えば隙が生じ…
死んでしまう…
だからこそ、
氷の心は常に持ち合わせ
周囲の警戒を怠らない
耳や口、目、兵士としてできることを
感覚として感じながら、
爆弾おにぎりを食す。
そして、ご飯を食べ終えれば
銃を持ち、作戦行動へと映る。
アミガルズ戦車『緑風』のキャタピラ音を聴きながら、歩兵隊がその周囲を警護する。
空中では、偵察用ドローンが展開しており、伏兵がいないか確認する。
ケモミミ合衆国の特殊部隊、忍ルマによる
襲撃があったのだそうだ…
警戒を厳にして、目を凝らす
油断は命の終わり…
別れは突然やってくる…
彼女は心の中で
否と答える
(私は生き抜いてやる、ニャンノ世界で、例え、不利になっても、絶対絶命でも、この理不尽で不条理な世界を生きてやる)
そして、こなつはたった一つの夢を抱く
(生き抜いて、もし、帰れたら、本にしたいから…そして、散っていた人たちの物語も書きたいから)
心に抱いて決意となせ
闘志の炎が燃えたぎる
進む反抗の狼煙
ノスタリア共和国にて誓いを心に抱きて進む伊19の転生した姿、海野こなつの
物語が幕を開ける!
『ニャンこな戦記』
ー海野こなつは
ニャンノ世界で生きているー
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