絶望の淵に佇む
あの日から今日で何回目の日曜日だろう?
何もない片田舎の私の住む街も戦禍に巻き込まれて多くの人が亡くなった。
農場で働く逞しい父も…。
常に優しい笑顔だった母も…。
ようやく歩ける様になった幼い弟までも…。
それでも…戦争は…終わらない…。
先の見えない生活に辟易して
いつしか私は銃を手にしていた。
敵兵から鹵獲した武器。
人を殺すためだけの冷たい残酷な道具。
そんなものを手にしても今の私は何も感じない。
今日も冷たいスチールの相棒を抱え廃墟の街を徘徊する。
敵兵と遭遇する度に心臓と額に鉛を撃ち込んでいく。
祈りを込めて。
懺悔する様に。
救いを求めて。
誰か…私を…止めて…。
呪文
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