夜の病室で…
ある夜のことです。巡回中に自分の担当の個室に寄った私は患者さんに話しかけられました。それだけなら別段珍しいことではありません。夜眠れずに私たちとお話をされる方は多いですから。しかしその方は他の患者さんとは違いました。私の容姿のことや卑猥な言葉を囁いたり体を触ったりしながらどんどん私に近付いてきて、私は病室の隅に追い詰められてしまいました。そして上手く躱すことが出来ないまま、机に俯せにされて下着を脱がされてしまったのです。これから私に何が起こるのかは解っていました。なのに私は少しも抵抗することが出来ませんでした。
それからすぐに患者さんのモノがズブリ、と私の中に入ってきました。病室にコンドームなんてありませんしあっても着けている様子はありませんでしたから当然生です。私は無理矢理挿入された痛みと妊娠の恐怖に震えました。
「処女じゃなかったか。まァ、この歳でこれだけ可愛けりゃ当たり前か。」患者さんはそう言いながら腰を動かし始めました。確かに私は処女ではありません。学生の頃に付き合っていた彼と一度だけ関係を持ちました。だからといっていきなりこんなことをしていい理由になるのでしょうか。人生で2回目のセックスが好きでも何でもない、偶然自分の担当になっただけの患者さんだなんてあんまりです。私は痛みと恐怖と、そして悔しさとで震えていました。
「なんだ、しっかり濡れてきたじゃないか。感じてるのか?」確かに痛みはいつの間にか消えていました。しかしそれはペニスが体内に入ってきたことで起こる単なる生理現象で、この行為を受け入れたわけではありません。それなのにこの人は何を言っているのでしょうか。私のそんな気持ちにはお構いなしに、患者さんは嬉しそうに腰を振っていました。
私の気持ちを理解してくれないのは患者さんだけではありませんでした。いくら心で嫌がっていても、体はペニスから与えられる刺激に反応してしまうのです。お腹の奥から全身へ痺れに似た感覚が駆け抜け、どんなに押し殺していても吐息と一緒に声が漏れてしまいます。患者さんは私のそんな様子を楽しそうに眺めていました。
「そろそろ出るぞッ!」恐れていた瞬間が近づいてきました。ペニスの往復する速度が速まり、そして深々と突き刺さった状態で止まりました。それとほぼ同時に、私の中に温かいものが流れ込んできました。ペニスがビクビクと脈を打っているのがわかります。患者さんはペニスの脈動に合わせて腰を僅かに引いてはまた突き出す動きを繰り返し、少しでも射精する精液の量を増やそうとしています。永遠のように長い射精の間、妊娠の恐怖が迫りつつあるのを感じた私は患者さんの目を見返しながら凍り付いていました。患者さんは目尻を下げてそれはそれは嬉しそうにそんな私の顔を見ていました。
悪夢のような時間が終わり、私は解放されました。私は病室に備え付けのウエットティッシュで精液を拭き取ると下着を穿き直し、足早に病室を出ました。そして上の空のまま巡回を終えてナースステーションに戻りました。幸いナースコールが押された様子はありませんでしたが、深夜のナースステーションで一人になった私の心には妊娠の不安が重く圧し掛かってきました。
次の日、夜勤が明けた私は同僚からのお茶の誘いを断って急いで家に帰り、風呂場で念入りに体を洗いました。特に股間にはあの人の精液が染み込んでいるような気がして、これでもかとボディーソープを泡立てて洗いました。さらに今までタンポンぐらいしか自分では入れたことが無かった膣の中にもボディーソープを塗った指を差し込んでかき回し、シャワーのお湯を流し込んで徹底的に洗い流しました。無駄だとわかっていても、そうしていないと気持ち悪さで吐きそうでした。幸い妊娠はしませんでしたが、悪夢はそれで終わりではありませんでした。
あの人はそれから夜勤のたびに私の体を求めました。それどころか、ベッドの周りにカーテンを巡らしているとはいえ白昼堂々ベッドで騎乗位でのセックスを迫られたり、ドアを閉めただけでカーテンも閉めずにフェラをさせられたこともありました。他のナースや面会の人たちに見つかったらどうしよう…不安になった私はあの人にとにかく一秒でも早く射精してもらえるように努力しました。しかしあの人はそんな私をどんどん上手くなってると言って褒めました。そう、私が早く射精してもらおうと努力すればするほど、あの人は私との行為に夢中になるのです。
私はあの人を愛してはいない。少しも好きじゃない。なのに、私の体はあの人との行為に正直に反応してしまう。体はあの人のペニスを、精液を求めている。病室に入っただけで、私の股間はあの人とのセックスを期待して濡れてしまう。私の体はどんどんあの人に堕ちていく。心が堕ちるのも時間の問題でしょう。私の希望はそうなる前にあの人が退院してくれることだけです。幸いまだ連絡先は教えていないので、退院すればあの人との縁は切れます。でも、あの人がいなくなったら…私はそれで本当に満足するのでしょうか。あの人を求めてしまわないでしょうか。
私は…
呪文
入力なし