巷に雨の降るごとく
グランゼンに命令を受け攻め込んだ第4軍団。皇女であり司令官でもあるルチア・オクタウィアスは、先行した仲間たちの殺戮を目の当たりにしていた。
「兵士だけでなく、女子供まで…。愚か者どもが、こんな無意味なことを…」。ルチアは冷たい雨の中、悲しみにくれて佇んでいた。
そんな彼女の背後に、従卒であり参謀も務めるフェルス・プグナトールが立ち尽くしていた。
「殿下…」とフェルスが声をかけた。
「二人の時はルチアでよい」とルチアが答える。
「では、ルチア様。戦争となれば、どのような場所でも起こりうることです」とフェルスが諭す。
「…わかってはいる。だが…」とルチアは返した。
「この世の中を変えるには、力を蓄えるしかありません。世の中を…レスランドを変える事のできる力を」とフェルスは、決意に満ちた言葉を口にする。
ルチアは深く考え込んだ。彼女が抱えるのは、皇位継承問題だ。現皇帝は好色であり、側室は貴族の子女から捕虜に至るまで非常に多かった。そのため、皇位継承の可能性がある者たちが複数存在し、継承の暗闘が既に起きていた。
フェルスは思う。「ルチア様は平民からの支持が最も集まっている皇女だが、それだけに暗愚な兄達から狙われてもいる。私が守らねばならない。命に代えても…」
二人の思惑を覆い隠すかのように、深々と雨が降り注いでいた。
つづく?
最近、男女二人を生成することを、暇を見つけては勉強しております。
ようやく背中合わせが安定してきた感じです。
ただ、まだ男がかっこよすぎる・・・。渋くしたいのに。これではキルヒアイスだ。
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