電車に乗る時は要注意その2
またもや妙な連中に眼を付けられ、こっそりお尻を触られてしまいます。
(なんかお尻の辺りがムズムズするなぁ……?)
最初はそんな風にしか思っていなかった小織くん。
ですが、調子に乗った相手が明確にお尻を鷲掴みにしてきたことで、さすがに何をされているのが気が付きました。
(何だよコイツ!男の俺の尻を触ってるのか!?ゲイの人なのかよ!?)
思わず振り返ってみても、相手は気にしません。ハァハァしながら小織くんのお尻を触っています。
ムッとした小織くん。男の俺が何で痴漢されなきゃいけないんだ……そう考えたのです。
思わず声をかけていました。
「あの!さっきから何なんですか!?人の尻をベタベタ触って!」
そうハッキリ言うと、相手はさすがにビクッとしたようでした。
それはそうです。相手は小織くんを女の子だと思っているのですから。こんなにハッキリと声をかけてくるなんて思ってもいませんでした。
そしてその相手はビックリしたのか、そのまま逃げるように電車を降りて行きました。
(ふふん!どんなもんだ!自分がゲイの人だからって相手までそうだとは思わないでほしいよな!)
自分のことをモブ顔の何処にでもいる男子だと思っている小織くんは、相手が自分のことを女の子と間違えたのだという事には気が付きませんでした。
鼻息も荒く、そのまま目的地へと向かった小織くん。
ですが、彼は気が付いていませんでした。今の行動により、痴漢をしていた男の逆恨みをかってしまったということを………。
呪文
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