ポンコツ生徒会長
それでは代わりに、と今度はセントレイク潜入依頼を受ける。先の潜入に失敗した刀夜に断る術はない。
ただセントレイクはフェンテスと正反対のファンタジーと魔法の世界。そこなら刀夜も大丈夫だろう。うん、大丈夫。
フェンテスの時と同様、楽々潜入に成功する。
しかし国に入った途端、何やらふわーっと不思議な力に体が包まれる感覚がした。何だろう?
街の中ではエルフ、ケモミミ、ドワーフ、獣人、多種多様な種族が見られた。人間の姿は意外と少ない。
人間の姿で学校制服の刀夜は目立つ。あまり目立たないように行動しよう。
そういえばこの国に入ってから周囲の人の話し声、家やお店の中から聞こえる雑音などがよく聞こえるような気がする。
かなり遠く離れた人が何を話しているのかも理解できる。耳がよくなったのだろうか?
ん?耳?
頭に違和感を感じ両手でそろそろと頭を触ってみる。
頭の左右から何かが生えていた。フサフサして三角形で先っぽがとんがった・・・
ネコ耳!
刀夜にネコ耳が生えていた。
ここはファンタジーと魔法の世界。国全体がその膨大な魔力に包まれている。
異能と魔力は性質が根本的に異なる。
セントレイクの人々にとってはなんてことはないその魔力に刀夜は敏感に反応してネコ耳が生えたのだ!
「・・・・」
押し黙る刀夜。そして、
「わ~い!ネコ耳だ~~~~!!」
周囲に聞こえることも構わずに歓喜の声を上げた。
実は刀夜、大の猫好きなのだ。猫に出会えば戦闘中の凛々しい顔が別人に思えるくらい、もうメロメロになるのだ。
猫好きオーラが出過ぎて逆に猫が逃げるくらい猫を愛しているのだ。猫は神、猫を崇めよ。
通りの人達がぎょっとして刀夜を見る。しかし今の刀夜はネコ耳少女、違和感はない。
嬉しさのあまりぴょんぴょん飛び跳ねていると、今度はお尻に違和感が。
「しっぽ~~~~!!」
もうウッキウキである。愛してやまない猫に自分がなったのだ。
そこに露店のテーブルで食事をしていた恰幅のいい獣人男(狼)が声をかけてきた。
「そこのかわいいお嬢ちゃん、何かいいことがあったのかい?」
「うん!あったの!猫になったの!」
「・・・ん?よく分からんが・・・まぁそいつはめでたいな!お祝いにおっちゃんが食事を奢ってあげよう」
「ホントに?!」
・・・・
任務の事などすっかり忘れてファンタジー世界の食事を心行くままに堪能するネコ耳刀夜であった。
電撃生徒会長
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[Appendix : 刀夜にネコ耳が生えた理由]
刀夜にネコ耳が生えた理由を詳しく説明しよう。
それにはまずノーマ異能の原理を説明する必要がある。
ノーマが出現してしばらくはその原理が不明で非科学的な能力と言われていたが、現在では研究が進み異能の原理がある程度解明されている。
今を遡ること十数年前、ノーマの体内に未知の酵素が多く存在することがヒノイのノーマ研究チームによって発見された。
新発見のその酵素はノーマドキナーゼαと名付けられた。
さらに数年かけてノーマドキナーゼαの研究も進み、酵素の構成元素が判明した。
ノーマドキナーゼαの構成元素は酸素、水素、ナトリウム、リン、窒素、炭素、そして未知の元素。
元素周期表のどこにも記されていない新しい元素が発見されたのだ。
その元素は113番目の新元素「ニホニウム」として世界に発表された。
ニホニウム元素は神経を伝わる電気信号のある特定の波形と波長を受けると、激しい格子振動を行う性質がある。
その格子振動の周波数はゆうに数ぺタヘルツ(ギガヘルツの100万倍)に達し膨大なエネルギーを放出する。
この格子振動エネルギーこそがノーマ異能の根源である。
ありあまる格子振動エネルギーを火に変え水に変え電気に変え、ノーマは異能を操る。
日本人にノーマが多いのは、日本人が他の人種と比べて体内にノーマドキナーゼαを多く保有していた為である。
ノーマドキナーゼαは体の成長につれ増加し、思春期でその量はピークとなりその後徐々に減少していく。
異能が量子力学に基づいた物理的なエネルギーであるのに対して、魔力は火、水、風、土と言った自然の物質に由来する概念的なエネルギーである。
物理エネルギーと概念エネルギーには斥力が発生する。
刀夜の体中に入ってきた魔力エネルギーとニホニウムが発する物理エネルギーにも斥力が発生するのだが、
ニホニウムは原子同士の結び付きが強く結果魔力エネルギーを押し戻す。
行き場を失った魔力エネルギーは徐々に体の先端に集まり出し、やがて物質化する。
それがネコ耳だったのは、たまたま魔力がケモミミ属性だった為である。もしエルフ属性なら耳が長くなり、獣人属性なら全身毛むくじゃらになっていたことだろう。
ノーマの異能とセントレイクの魔力が作用した結果、それが刀夜のネコ耳である。
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
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