あの…助けて頂けると…
一枚目がi2iでSDXL生成した完成画像、二枚目が素地としてDIRTで生成したオリジナル画像。
DIRT→i2i(SDXL)手順です。
【貴族令嬢の災難】
軋む風が、廃墟となり果てたホールを吹き抜ける。砕け散った窓ガラス、床石には苔が這い、
かつての荘厳さを辛うじてとどめるその空間に一つだけ異質な存在があった。
白い肌に紅潮した頬、、儚げな金髪とエメラルドの瞳、豪奢なレースのボディースーツ姿。
その少女は、天井から垂れる鎖に脚を取られ、逆さまのまま床にぶら下がっていた。
「ん…ぅ、着地失敗、また…誰もいないの…?」
苦痛と諦観、そしてわずかな希望を滲ませた声が、朽ちた柱に吸い込まれていく。
令嬢レティシア・ヴェルンハルト。貴族の名家に生まれ、何不自由なく育った彼女は数日前、
身代金目的で誘拐された。
監禁先は、山奥の朽ち果てた屋敷。
護衛の追跡を振り切った誘拐団は、満足げに彼女を暗い部屋に閉じ込めた。
だが彼女はただ泣き叫ぶだけの脆弱な令嬢ではなかった。
傷んだ扉の蝶番を壊し、隙を見て脱出。
長い廊下を這い、下り階段を目前にして――
「――床を踏み抜いたのです…馬鹿みたいですよね…」
誰にともなく呟いたその声が、ふいに止まった。
足音? 微かな、それでも確かな気配。
目を凝らした彼女の視線の先に、誘拐団一味とは異なる雰囲気を纏った一人の
姿があった。
「……あの……」
彼女は頬を赤らめ、けれど真っ直ぐに見つめて口を開いた。
「……助けて頂けると、嬉しいのですが……」
完
呪文
入力なし