お別れの時
「お前は、あいかわらず美しいな。出会った時のままだ」
「なぜ逃げなかった? 50年もあったんだ、いくらでも機会はあっただろ」
「50年なんて私たち妖精には、ほんのつかの間の夢だもの。風にそよぐ木の梢が一回ゆれる、たったそれだけの時間よ」
「酷い事も、いーっぱい、いーっぱいっ! されたけど、旦那様が寂しい人だって、気づいちゃったから、ちょっとだけ付き合ってあげようかなって、そんな気まぐれ♪」
「気まぐれなんだから、あやまったりしないでよね。森に帰ったら、人間にはこんなに悪いヤツがいたんだよって、仲間と一緒に笑い飛ばしてあげるから」
「旦那様は、ちゃんと悪人として、くたばってくださいっ♪」
「そうか、そうだよな。今更、俺が許してもらえる訳がないよな」
「だが、これだけは言わせてくれ。……ありがとう、愛してるよ」
妖精の少女は静かに涙を流しながら、それでも笑みを浮かべて、
「『悪人として』と言ったのに、最期の最期になって『愛してる』だなんて、旦那様はどこまでいじわるなんですか?」
「永遠を生きる私たちにとって、思い出がどれほどの毒になるのか、わかってないでしょう。
「本当に、しょうもない人。……でも、私も愛してますよ、旦那様♪」と、キスをするのでした。
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 30
- Scale 7.0
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- Steps 30
- Scale 7.0
- Seed 185808983
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras