歯車少女:Lets Take repair!
トワが絶叫した
「ついてくるなと言ったろうー!」
「だって……心配だったから……」
おずおずとはるかが答える
(そうだったーこいつら時の一族は度を越したお人よしだったー)
「クローエ!なんでお前気付かない!」
「はるか⁉な…なんで…駄目よ!離れて!」
「トワ!一旦戻り……」
グロロオオン……
「そうはさせてくれないみたいだぜ……」
「ファゴス……か……」(迷っている暇はないな)
「直ちに修理にかかる!援護は要らない!トワははるかを守れ!」
「指図すんじゃねぇ!」
一人と一羽は具体的な作戦を何一つ立てなかったが
最優先の目的ははるかの安全で一致していた
二人で陽動して修理を進める
だがファゴスは決まった形を持たず
その攻撃は変幻自在で
二人の修理は困難を極めた
やがて二人がもっとも恐れていた事態が発生する
ファゴスがはるかに気付いたのだ
ファゴスにとって自分の周辺にいる
人間が正気を保っていることは
許せないことであった
ファゴスは狂ったようにはるかに迫っていく
「はるか!」ひな鳥を襲われた親鳥のように
クローエははるかのもとに駆け付け
全身で包むように抱きしめた
自分の歯車と金属の体なら
せめてはるかは守れる
「クロ!ば……てめーは修理してりゃいいんだよ!」
トワがクローエたちとファゴスの間に立ちふさがる
次の瞬間 ファゴスの体から打ち出された魔弾がトワの胸を貫いた
「ガ!」
「トワ!」
「トワちゃん!」
「ち、ちゃんづけ……すんじゃ……ねえ……よ…ゴホッ」
「クロ……エ……俺を…背負え……」
「なに?」
「は……やく……俺が……事……切れちま……うまえに……」
そう言われて胸に穴の開いてしまったトワを背中に背負った瞬間
頭の中に機械特有のイントネーションで言葉が響いた
『緊急融合プログラムを開始します。客体の抗体プログラムを一時緊急停止します』
そして クローエとトワは合体を果たした
「へっへっへ~クロも飛ぶくらいできねえとなぁ
てめえみたいなデカブツ相手じゃあそのくらいでないと
不公平ってもんだよなぁ」
「私の口を使って喋るな!」
(いけそうか?)
(修理ならいけるが……)
(お前、その目は節穴か……?)
(?)
(修理が必要なのは 時間だけじゃねぇって事だ!)
(……成る程 理解した!)
「修理に取りかかかる!」
「できそうか?」
「私に修理できないものなど無い!」
「へへ!そう来なくっちゃあなぁ!」
(トキムネとおんなじ口癖じゃねえか)
はるかはじっと二人?を見ている
呪文
入力なし