夏は始まったばかりですよ?
月美ちゃんが、ちちぷいのえなえなさんが主催する、夏フェス2025の、私達のグループのMCを務める。
すごい熱気! 参加している皆さん、本当にすごくて、熱気よりも……生命の強さを感じる。
最高を目指している意思をすごく感じる。ここは、とても素晴らしい場所なんだ。
そう感じると、とても♪ 楽しくなる。目が見えなくても、会場の皆の盛り上がる生命が、尊い。
「幻刃、水分補給も大事にな?」
そして、愛する人も、傍にいる。
「ラーヴィ、今回私の演奏、ちゃんと見て下さいよ?」
少し困った反応の彼。まぁ、仕方ありませんよね? だって……
「兄に! ウチもギター張り切るけん! まほばっか見んでよ?」
「ラーヴィ! 私も! ドラム弾くからさ? 見てよね? うふ♡」
「……アタシさぁ? 歌いたいんやけど、なし皆止める? アタシの美声だめなん!」
「お姉様は、声量がすごいのでだめですわよ? お姉様はベース演奏、歌はわたくしにお任せを♪」
「「「そう、歌は椿咲担当なんよ!」」」
「がっぽしー!!!!!」
各パートの担当も決まりましたし♪ そして、皆、彼を愛している。
「……そういうわけですよ? ラーヴィ?」
私が、嫉妬で神威を突き立てたいくらいの矢を突き立てますけれど……
このたらしが……でも、好き。
何故好きなのだろう……それは、死ぬときに守られたからかしら?
生きろと……命を吹き込まれたあの時から、私はどうあれ、彼を愛してしまった。
そして、彼は、不器用ながらも……いつも誠実に皆に接している。
私は、苦笑いしながらも、見えない目で彼を追う。
「それでは、私もキーボードで♪ 月美、ミント、椿咲、葵? セッションよろしくね♪」
夏フェスはまだこれから。さぁ♪ 最高の夏にしましょう♪
呪文
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