スク水デパート
場違いなほどピタッとした水着のまま、冷房のきいた食品売り場をそろそろと歩く。
肩から腕にかけてまだうっすら濡れていて、歩くたびに水気がほんのり肌を伝う。
――スクール水着で来場すると、全商品50%オフ。
まさか本当にやる人いるの?と思ったけど、いた。
というか、自分もそのひとりになってしまった。
「誰も見てない、誰も見てない……って言い聞かせるの疲れるんだけど……」
視線が気になるたび、手元のスナック菓子に目を落とすふりをする。
けれど視界の端では、通りすがりの家族連れやカップルが一瞬立ち止まるのがわかる。
どう見ても目立ってる。完全に“見られる側”だ。
でも、バッグに入れたあれこれの価格を思い出して――
彼女は小さくため息をついたあと、ほんの少しだけ開き直る。
「……今日だけ、だし。お得だし。……でも恥ずかしいんだからね?」
それでも手は止まらず、チーズ味のお菓子をひとつ開けて、食べ歩きルートに合流する。
顔を上げると、先に進んでいた友達がにやにやしながら振り返った。
その瞬間、視線をそらしながら早足で追いかける。
――恥ずかしい。でも、それ以上に笑ってしまう。
それがこの“イベント”のいちばんずるいところだった。
呪文
- Steps 30
- Scale 7
- Seed 896857548
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1
- Steps 30
- Scale 7
- Seed 896857548
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1