サンタさん、はっちゃける!
ワシはお供にトナカイ娘ちゃんを引き連れて南国の海に訪れていた。
普段ならこの時期、ワシはサンタとして世界中を駆け巡り、ちびっ子どもにプレゼントをぶん投げてはニヤリとほくそ笑むのだが…。
昨今のちびっ子どもはワシのプレゼントなんかには見向きもしない。それどころか『金銭』を要求してくる始末。
まぁーったく可愛げがない。
そもそもだ。
クリスマスの意味を履き違えておるのよ。
キリストの誕生日なんかじゃないからな!
生まれてきたことを祝福する日、
『生まれてきてくれてありがとう』と、
感謝を言葉にする日じゃからな!
ワシ、もうサンタやめた。
ちびっ子どもなんかもう知らない!
ワシは南国の海でエンジョイするんじゃ♪
…と、思っていたのに。
な~んか面白くない。
おかしいな…。あんなに憧れた南国なのに…。
「トナカイちゃん、楽しんでる?」
ワシはパラソルの下で海を眺めていたトナカイちゃんに話しかける。
「ええ。楽しんでますよ?」
「ワシ…なんかつまらない…」
「先程までヒャッハー♪してたじゃないですか」
「…なんか気分乗らないんじゃ…」
ワシはトナカイちゃんの隣に座って肩を降ろす。
「ワシ…カッコ悪い?」
ポツリと呟く。
「はっきり言っていいですか?」
「できれば…オブラートに包んで頂けると…」
トナカイちゃんは大きく溜息を吐くと
「クッソダセェ…ッ!」
「オブラート吹っ飛んだよ!?Σ(゚Д゚)」
「大体、何をそんなにへそ曲げてるんですか?」
「いや…ね、最近のちびっ子には夢がないなって。お金、お金って…。ワシ…切ない…」
「…サンタ様。子供たちが何故、そうなってしまったのか分からないんですか?」
「えっ…?」
「それは大人たちが夢を持たなくなった為です」
「強欲な…、飽食の時代。大人たちが夢を持たなくなりました。子供というのは大人たちを見て育ちます。こうなってしまうのは当然です」
ワシは言葉を失う。
「子供たちまでもが完全に夢を持たなくなってしまったら…。本来イマジナリーな存在である我々も直に消えていくでしょうね」
「えっ…?ワシら消えちゃうの?Σ(゚Д゚)」
トナカイちゃんは静かに頷く。
「でも…。夢を与える事ができる存在がいるじゃないですか?」
「誰なんじゃ、それは!?」
「サンタ様、貴方ですよ」
トナカイちゃんの言葉にワシは目を丸くする。
「思い出して下さい。子供たちに…、キラキラな瞳で言われた言葉を」
ワシは思い返す。
――――そうじゃった。
ごく少数ではあったが…。
純粋無垢な、キラキラな瞳で…。
『サンタさんは、本当にいたんだ!』
眩しいくらいの笑顔な子供たち。
ワシは立ち上がる。
あの笑顔を再び見る為に。
こうしちゃいられん。
ワシ…行かなくては!
「トナカイちゃん、ワシ…カッコ悪かった?」
ワシはトナカイちゃんに苦笑する。
トナカイちゃんはにっこり微笑むと
「ゲッロゲロにクッソダセェ…ッ!」
「オブラートどこいったのΣ(゚Д゚)」
呪文
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