レスランド・辺境の村の物語4
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しばし呆然として泣き続けていた少女だが、やがて意を決すると立ち上がり……そして歩き出す。
ただ泣いているだけでは何も変わらないことを彼女はよく知っていた。
まずは自分のできることをするしかない。今はまだ絶望するには早すぎるはずだから。
ほんの僅かでもいい、自分にできることをしてみせようと心に決め、前を向いて歩み出す。
この辺境の地にあっても、『飢えることを知らぬ国』と言われたレスランドの一員としての矜持があった。
焼き尽くされ、灰に塗れた嘗ての農地を蘇らせるべく彼女は藻掻き始める。
剣戟も、魔法の光も、魔物の嘶き声すら響かぬ大地で、彼女の小さな闘争が幕を開ける。
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