肩出し銭湯講談師 談みすず
今回は銭湯で肩出し銭湯講談師として登場。
1枚目 談みすずのキャラシート
2枚目 1枚目の元絵
3枚目 ボツ絵
かにすけさん企画「GO風呂」
https://www.chichi-pui.com/events/user-events/616b9de6-6c2f-44a6-85bf-7c1a4ccad7df/
講談の様子をどうぞ。
パンパン!(扇子で張り扇の音を響かせる)
えー、さてお立会い!
ところは湯けむり立ち込める町のオアシス、天下の銭湯にて、一席お付き合いを願いまする。
見渡せば富士のペンキ絵、響くはケロリン桶の心地よい音。いやはや、こうも湯気にあてられますと、つい着物の肩もポロリと崩れてしまいますが……この「肩出し」も、熱気あふれる銭湯ならではのご愛嬌ということで、お許しいただきましょう!
さて、本日読み上げまするは、江戸っ子の意地がぶつかり合う『銭湯・我慢比べの巻き』でございます!
時に文化文政のころ、神田の生まれの威勢のいい大工の熊さん。
一番風呂に飛び込んだはいいものの、この日の湯はなぜか煮えたぎるような大熱湯!
しかし、そこは生粋の江戸っ子でございます。
「おうおう! こんなぬるま湯で、江戸の職人が務まるかってんだい!」
強がりを言って、肩までスッポリと浸かりました。
ところが、顔はたちまち茹でダコのように真っ赤っか! 額からは滝のような汗がダラダラと流れ落ちております。
そこへ後から入ってきたのが、左官の八っつぁん。
「おいおい熊さん、ずいぶんと顔が赤いじゃねえか。無理してんじゃねえのかい?」
「べ、べらぼうめ! こちとら熱い湯が大好物なんだい! ほれ、お前さんも入ってみろぃ!」
挑発された八っつぁん、引くに引けなくなりまして、勢いよく湯船にドボーン!
「アッチィィィィッ!」
……と叫びたいところをグッとこらえ、引きつった笑顔で
「へ、へへっ……こりゃあ、いい湯加減だぜ……」
と、声はブルブル震えておる!
意地っぱりが二人、熱湯の中でにらみ合い。
「どうだい八、そろそろ出るか?」
「いやいや熊さんこそ、のぼせて倒れちまうぜ?」
両者一歩も譲らず、ジリジリとした我慢比べが続いておりますと……
そこへガラガラッと戸を開けて入ってきたのが、番台に座っていた肝っ玉母さん。
「あんたたち! いつまでお湯を独占してんだい! 後の人が入れないじゃないか!」
言うや否や、手にした手桶で冷水をバシャァァァン!!
見事、頭から水をかぶった熊さんと八っつぁん。
「ひええええっ!」と情けない声を上げて、たまらず湯船から飛び出した!
ツルッと足を滑らせて、洗い場で見事にスッテンコロリン!
これを見ていた周りの客は大爆笑。
意地を張るのも程々に、お風呂は仲良く譲り合って入るのが一番でございます。
湯冷めにはくれぐれもお気をつけくださいませ。
これにて一席、読み終わりでございます!
パンパン!(張り扇の音)
呪文
入力なし