戦のない夜を知らない
物心ついた時には刀を握り
齢24になる今まで命を散らすこともなく
ただ、戦の只中に身を置き続けてきた━━
今、このシラクレナに大きな変化が起きている。
何代にも渡って続いた三藩の戦は終わり、突如として現れたセントレイクなる国との戦が、またすぐに始まった。
神託に従い、シラクレナの武を示す。
そのような触れと共に、また私は戦に身を置いた。
セントレイクの奇妙な兵器や妖術は、確かに厄介ではあった。
ただここの者たちは明らかに、戦に慣れていない。
きっと、あまり戦を知らぬ者たちなのだ。
父上は、ただシラクレナの為にその刀を振い続けろとおっしゃっていた。
きっとそれが我が一族の生きる道であり、役割なのだろう。
だが私は、戦には終わりがあることを知ってしまった。
戦は、終わるのだ。
刀を振るう腕が鈍い。
"私"の心が迷っている。
私は━━━━
戦のない夜を知らない!
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