さぁ、ランタン流すよ
「はやくはやく、気持ちいいよ」銀髪のテヤンがこちらに呼びかける。
「ここは浅いだからだいじょぶだってさ」ニアの金髪が灯籠の光に輝いた。
「一緒に流そ」微笑する。黒髪のアカネ。
「水路で流すなんて何年ぶりだろ」苦笑し未来の夫はズボンの裾をまくりあげる。
「天之河を渡れ。億千の星を超えよ」テヤンがそっと呟く。
「『天之河を渡れ、星の海を超えて想い人の岸へ届け』って詩、七夕って本当に恋人のためのお祭りだよね」アカネが微笑んだ。
「『夫のいる岸めがけて恋人が一斉に船を漕ぎだす』ってちょっとロマンティックじゃない気がするけどなぁ」ニアが苦笑した。
「そういう漫画、見たことがある。漕ぎ出してすぐにお互いを潰し合って沈没して、それでもあきらめずにみんなばちゃばちゃ泳いで岸を目指すってギャグ漫画」夫の言葉にフィアンセたちは吹き出した。
「こういう神話って何かが元になってるんだと思うけど、なんだろう。だいたいこの天の星々、『河』って感じじゃないのに」テヤンのこの言葉は、ずっと昔から何度も何度も彼女が口にしたものだった。
「僕たちの住む星は星雲のほぼ中央だから、全周星の海に見えるよね。でも星雲の端のほうの星から此方を見たら「星の川』になるって物理の先生が言ってたな」
「まぁでもきっと、彼女たちはちゃんとたどり着いたんだと思うぜ」ニアはそういいつつランタンを水路に流す。
自分たちとは少し姿形の違う恋人を見つめつつ。
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。
イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 70
- Scale 11
- Seed 29769265
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras
- Strength 0
- Noise 1
- Steps 70
- Scale 11
- Seed 29769265
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras
- Strength 0
- Noise 1