小説『霧町八丁目』【ニャンノ世界】
『霧町八丁目』
霧、其は、全てを包み
不安にした
産業革命期に起きた厄災
そして、怪異化した存在
〈霧町八丁目〉
黒の異邦 ミュカ・ベルモントは
カミュの『異邦人』を読み終え
次は『ミスト』に読み耽る
不可思議な精神構造は
怪異や奇妙なる世界を読解するのに必要なものが、隠されている。
終末事変を防げなかった
彼ら(黎環時代の人々)には
本を読む力すらも残されておらず
古き者が残した歴史的産物を顧みなかったことで、
世界は、
思考の放棄、思考の支配
核兵器と戦争、
貧困と飢餓、医療没落、
利益重視による経済暴走、
AIの終止符(デウスエクスマキナ)化
他にも様々な事象が書き綴ることができないほどに氾濫し
キングスブリテンもまた、
暗黒時代において、
〈霧町八丁目〉としての事象が観測された。
現在、2225年、
その事象はゲームの中にデータとして収容される形で、
キングスブリテンの怪注時計局が
管理し、調査している。
魔法創作会も、結界の管理に携わっており、平穏は画面の外と内を隔てることで保たれていた。
だが、虚構は、いつか、現実を侵食する。
そして、忘れるなかれ…
其は、いつだって
花の香りを携えて
覗いていることを
君たちが見ているのではない
霧が君たちを見ているのだ。
忘れるなかれ、
科学により証明できぬ深淵を
忘れないことが
生きる我々、そして
眼前に見える霧に対し
抗える旅路なのだから…
ミュカ・ベルモントは
旅路へ向かう。
其が恐怖と虚構に向き合うのは
文学であり不条理であると…
文字なき虚構と向き合い
画面の霧、奥深くへと消えた。
-MisticCity-
Mist and City
Mysterious
The Mist covered Truth
It find out
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