敗残兵狩りのダークエルフ
焼け落ちる森をエルフェアルの若い兵士が逃げてゆく。
一目散に駆けたい思いとは裏腹に、張り出した大樹の根に足を取られ、煙と火の粉が視界を塞ぐ。思うように前へと進めず、ただ気持ちだけがはやる。
所属していた第三〇一森林防衛部隊は、レスランドに所属するダークエルフの戦闘集団『闇の稲妻』の奇襲攻撃――しかも森を焼くという暴挙だ――により壊滅した。
(逃げろ、逃げるんだ! 追いつかれる前に仲間と合流を……後方の駐屯地まで逃げれば――)
レスランドの侵略者に捕まったらお終いだ。奴らの国に連れて行かれて農奴にされ、労苦の中で一生を終える。
さもなきゃ殺されて畑の肥料にされると聞かされてきた。
絶対に捕まりたくない。故郷には帰りを待つ幼なじみの女の子がいるんだ。どんなことをしてでも生き延びて――
「よぉ! そんなに急いで、どこに行くんだ?」
ふと目の前に、金色の髪と特徴的な尖った耳の女戦士が見えた。
横にいた同僚が火柱になった時にも漏れ濡らしたと言うのに、恐怖が彼を失禁させた。
ダークエルフの女戦士は、レスランドの国章が入ったマントを翻し、二振りの切っ先を若い敗残兵の鼻先に突きつけた。
「一応規定なので聞いておく。君が投降するなら我が国の美味い飯をご馳走しよう。しかし勇ましく戦う――って言うならば、惨たらしく死ぬハメになるぞ」
「……っておい! あちゃぁ……気ぃ失って聞いちゃいねえよ。どうしたもんかね……大隊長は『捕虜は不要』って言ってたけど、まあ良いか。ここで出会えたのも何かの縁だな。おい、このガキ丁重に縛りあげてお持ち帰りだ!」
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