【聖地巡礼:レミュナス地方の聖祭場】
メルカトリア都市国家連合の中でもひときわ異彩を放つ場所――それがレミュナス地方の聖祭場、美と愛の女神エウロメリアに捧げられた神殿である。
崖を削り出したかのようなアイボリーの石壁は、長年の潮風と太陽の光を吸い込み、温かな輝きを放っている。神殿の回廊へ一歩足を踏み入れると、そこには別世界のような静寂が広がっていた。柱の隙間をすり抜けてくる海風は、ほのかに塩気と、神殿に供えられた花の甘い香りを運んでくる。
目を奪われるのは、何層にも重なる海の青だ。
地平線へと溶け込むウルトラマリンから、岸壁を洗う柔らかなターコイズブルーへ。眼下で砕ける波の音は、まるで女神が奏でる調べのように穏やかで、聴く者の心を解きほぐしていく。
テラスや列柱が織りなす空間は、訪れる者を優しく受け入れるように開放的だ。
ここには、過度な喧騒も、鋭い戒律もない。ただ、神への献身と、人間が抱く「愛」という名の感情が、自然の営みと美しく調和している。
時折、純白や淡い薔薇色の衣を纏った巫女たちが、回廊を静かに通り過ぎていく。海風にたなびく薄い布地は、彼女たちの佇まいをより一層優雅に見せ、まるで風景の一部となってこの場所の美学を体現しているかのようだ。
ここは、祈りと愛が分かちがたく結ばれた聖域。
神殿に刻まれるのは、ただ過ぎ去る時の流れと、愛を捧げる者たちの穏やかな吐息だけである。
旅の終わりに、この光に満ちた聖地で、ただ海を見つめてみてほしい。
きっと、美しさが何であるかという答えが、潮風とともに胸の奥へと届くはずだ。
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●エレウセリオンの女神が祀られる聖地巡り第1弾です。地中海ブルーと古代ギリシア神殿のコントラストが大好きなので、スニオン岬のポセイドン神殿をモデルに景観を作ってもらいました。また聖地の設定としてはパフォス(キプロス島)のアプロディテ神殿をモデルとしています。いわゆる「神聖な売春(あるいはそれに類する儀式)」が行われていた場所ですね。男性の巡礼者を満載したガレー船がひっきりなしに到着する。そんなロマンあふれる聖地です。
●概要説明はガイドブック風で。異世界エレウセリオンの旅を楽しむシリーズになればいいなと思います。
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