テンタマ サイクリング
◆ 舞台設定:紅環領域(こうかんりょういき)
「紅環領域」は、異世界・カル=ハラ火山都市の外縁部に現れる幻視フィールド。
ここは火の精霊によって創られた訓練と記憶の迷域であり、精霊使いとしての資質を問われる者だけが足を踏み入れられる。
その特徴は、無数に広がる赤白ストライプの球体(通称:TENGA・オーブ)。
◆ ボールの正体:TENGA・オーブ
赤白のボールに見えるそれは、ただの物体ではない。
一つ一つが「記録された過去の戦い・思念・火の記憶」を封じた、精霊の記憶の結晶であり、少女の心に深く反応する。
接触するたびに、感情・痛み・戦いの記憶がフラッシュバックのように押し寄せる。
触れれば触れるほど、心が試される。逃げれば進めない。乗り越えれば、覚醒に近づく。
◆ 特訓の意味:自転車による「心の走破」
少女の試練は、この無数のTENGA・オーブに囲まれた領域を自転車で走り抜けること。
なぜ“走る”のか――それは、彼女の「恐怖や記憶と向き合うペース」を象徴するから。
走るほどに、オーブたちは動き、ぶつかり、反応する。
時に少女の心を映し出すようにざわめき、時に試すように道を塞ぐ。
◆ エピソード:第七日目の試練
少女は無数のオーブの間を縫うように走っていた。
風に揺れる金髪、視線を隠す前髪、けれど心の中では、火の精霊「エン=オラ」の声が囁いていた。
「お前は、まだ“過去”を越えていない。
思い出せ、“あの時”の自分を。」
目の前に、大きな赤白のオーブが出現する。
それは、かつて彼女が初めて精霊と契約した日の記憶。失敗、炎、仲間の叫び。
少女は一瞬、足を止めそうになる。
しかし——
「うち、走り続けるって決めたんや。気力で燃やしたる」
彼女は再びペダルを踏み込んだ。
風が唸り、球体がざわめき、オーブが一つ、二つと割れていく。
そこから現れたのは、彼女の新たな力――「紅環疾走(こうかんしっそう)」。
◆ この修練の意味
紅環領域とは、少女にとって過去と向き合う場所であり、
心と記憶と火の精霊を一つにするための、魂の走路だった。
走り終えたとき、彼女はもう一歩、真の「精霊巫女」へと近づいていた。
💬少女のひとこと
「赤白ストライプ見ると、ドキドキするんよな。
うちのトラウマと、進化が詰まっとるから」
呪文
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