本日のランチ
『食彩探訪』12月号特集
「12月2日 外カリッ、中ジュワッ──焼き餃子定食」
文・撮影:田嶋 達郎(グルメ記者)
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鉄板の上で音を立てながら焼かれた餃子。
その香ばしさが店内にふわりと満ちた瞬間、
「今日は当たりだ」と確信した。
運ばれてきた焼き餃子定食は、
黄金色の焼き目がついた餃子が美しく並び、
その後ろにはほかほか湯気を立てる白ごはんと味噌汁。
まさに昼の幸せが並んだ“最強の布陣”だ。
一つ箸で持ち上げれば、
薄皮の向こうに詰まった肉ダネの重みが伝わってくる。
かじった瞬間、
外側の“カリッ”とした歯ざわりと、
じゅわっと溢れる肉汁のコントラストに、思わず目を閉じてしまった。
この瞬間のために昼ごはんを食べ歩いていると言ってもいい。
特製ダレにつければ、酸味と辛味が肉の甘みを引き立て、
白ごはんはその餃子ラッシュをどこまでも受け止める。
今日のご飯はなんだかいつもより進みが早い気がする。
いや、気のせいではない。
脇を固めるのは、
ほうれん草のおひたしとキュウリの浅漬け。
餃子の旨みに疲れることなく、味の流れを整えてくれる頼れる存在だ。
そして湯気の立つ味噌汁が胃の奥を温め、
餃子の力強さをやさしく包み込む。
焼き餃子は“庶民のごちそう”と言われるが、
今日の一皿は確かにその言葉の意味を噛みしめさせてくれた。
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◆次回予告
12月3日:寒い日にぴったり──「豚バラ白菜の重ね蒸し定食」を予定。
出汁の染みた冬の味を一緒に楽しみましょう。
──今日も、いい焼き目だった。🥟✨
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