麻袋土偶
素焼き人形のような質感を持ち、全身はシンプルな造形ながら、頭部には目と口の穴が空いた麻袋状のマスクが固定されている。
どこかユーモラスでありながら、不気味な宗教的儀式や呪具を連想させる造形で、“麻袋村”の伝承に登場する守護像や土着の信仰アイテムをイメージさせるオブジェクト。
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麻袋土偶 ― 苦悶式土偶との関連
麻袋村に残される土偶は「麻袋土偶」と呼ばれ、顔全体を布で覆ったような造形を特徴とする。
この造形は、古代に存在したとされる「苦悶式土偶」(口を歪め、苦しむような表情をした土偶)と同系統の文化的表現だと考えられている。
共通点
・苦悶式土偶:病や死、呪詛の苦しみを象徴し、それを鎮めるために作られたとされる。
・麻袋土偶:麻袋で顔を隠すことで「苦悶の表情」を封印し、祟りを外へ漏らさない意図が込められている。
麻袋村での信仰
麻袋おじさんたちは、この麻袋土偶を 「原初の守護像」 として崇める。
地蔵に麻袋を被せる風習も、もとはこの土偶信仰に由来したと伝わる。
つまり、麻袋地蔵は「後世の形」であり、その源流は「麻袋土偶=苦悶式土偶」なのだ。
文化圏の広がり
麻袋土偶は単なる偶像ではなく、村の文化圏の核となった。
・集落の祭祀場の中央に安置される
・災厄が起こると麻袋土偶を抱えて祈祷が行われる
・子どもが病に倒れると、袋をかぶせて「苦悶の身代わり」とされた
このようにして、麻袋土偶を中心に 「苦悶を共有し、袋に封じ、共同体として生き延びる文化」 が形成されていった。
📌 まとめると、麻袋土偶は「苦悶式土偶の延長線上に生まれた信仰対象」であり、麻袋村の文化圏を支える根本的アイコン。
麻袋おじさんの存在そのものが、この偶像信仰から派生した「生きた苦悶式土偶」とも言えます。
・関連:苦悶式土偶
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