小織くん、何度目かのウェディングドレス
司会者のそんな言葉が聞こえてくる。
ここは、赤髪兄こと赤上小織の通う学校、私立音湖野小杉高校の体育館だ。
今日はここで、ジューンブライドコンテストなるものが行われていた。
一体ジューンブライドコンテストとは?
このコンテストは、6月の花嫁、ジューンブライドにちなんで各クラスから最低1人~最大4人まで選んでウェディングドレスやタキシードに身を包んだ学生の外見や着こなし、メイクの出来栄えなどを競うコンテストだった。
コンテストは花嫁ウェディングドレス部門、花婿タキシード部門、カップルジューンブライド部門に分かれており、各クラスは最低1名何処かの部門にエントリーさせなくてはいけないルールだった。そして、ウェディングドレス1名、タキシード1名、カップル2名エントリーさせると最大で4名のエントリーとなるのだ。
そして、小織の所属する2年B組は………………あろうことか、男子の小織をウェディングドレス部門にエントリーさせたのだった。
ちなみにもちろん最初は断った小織。だが、例によってチョロい彼は、「高級和菓子店の水ようかん詰め合わせセット」によってアッサリと買収され、気が付けばウェディングドレスを着せられていたのである。
しかも、「赤上君ならノーメイクでも行けるんじゃね?」という無責任な女子の発言により、ノーメイクとはいかなかったが、うっすらとメイクしただけでの出場となった。
小織(よくよく考えてみたらなんで俺みたいなつまらないモブ顔した陰キャ男子をこんな所に出場させるんだよ!も……もしかして………俺、イジメられてるのかなぁ……)
急に見当違いのことで不安になっていく小織。しかしそんな小織の事など知りもせずにコンテストは進んでいった。
そして、ついに………全部門を含めた総合優勝者の発表を待つだけとなった。
司会者「それでは発表します!第5回音湖野小杉高校ジューンブライドコンテスト!栄えある優勝者は!?」
司会者の言葉にざわつく体育館。
小織(ま……総合優勝なんて3年生の美人の先輩とかになるに決まってるし………あ、でも2年A組のカップルも良かったよなぁ?それともE組の花婿の人とかかな?」
小織がそんな事を考えていた矢先だった。
司会者「総合優勝は…………2年B組、花嫁部門出場の………赤上小織……くん!?……だぁ!」
『わあああああああああああ!』
小織(ハイハイ凄いね、2-Bの赤上小織かぁ‥………………………………………………………………え?赤上小織?)
ちょっと……と言うかだいぶ呆然とする小織。すると司会者が近寄ってきた。
司会者「おめでとう赤上くん!君が総合優勝だ!」
小織「え………えええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
思わず盛大な叫び声を上げてします小織。
司会者「さあ!舞台の壇上へ!」
小織「………は、はい……」
意味が分からず顔を真っ赤にしながら、そして半ベソかきながら舞台を上る小織。
小織(………………全校生徒ぐるみで……俺のことからかってるんじゃないのか………?)
それでも仕方なく舞台で全校生徒の方を向く小織。
小織「………………泣きたい……」
頭の中がすでに真っ白な小織。だが、半ベソかいたそんな小織の様子もなぜか評判が良かったようだ。
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