GS-4 無価値な最高傑作
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シラクレナが統一国家であった時代に打たれた刀。
変わった刀を蒐集するのが趣味の好事家ソウベイが、シラクレナ全土を旅した際に大金を投じて作ったもの。
スワガ藩が異界から手に入れた貴重な鉱石を、タケクラ藩随一の刀匠が鍛え、シオン藩の筆頭妖術師による強力な願いが付与されている。
それぞれの文化から最高の技術を投じられて作られたその刀は、まさに最高の刀となるべきであった。
しかし、ソウベイが完成した刀の試し斬りをした結果は摩訶不思議であった。
"何ひとつ斬れなかった。"
3つの力は決して融合せず、まるでそれぞれが己こそ最強だと主張するかのように反発し合い、それを振るう剣士の力を奪った。
幾人もの剣士がこの刀に挑戦したが、結果は同じであった。
誰にも扱えず、何も斬れない刀に、価値は無い。
ソウベイは落胆し、刀に名前を与えず、タケクラ藩の城下町にある自宅の倉庫に保管した。
そして自宅で甘味処を営み、余生を過ごしたという。
以来、刀は倉庫に眠り続けている。
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