【小説付き】【パウチ回ぼっち】本番前に、パウチ(地獄先生ぬ~べ~に出てくるエッチな精霊)に憑りつかれたぼっち
ぼっち「うふっ♡ 待たせちゃってごめんなさい♡
あはん♡ どうしたんです、皆さん? 主役の私が到着したんですよ♡
さあさあ、皆さん盛り上がっていきましょうよぉ~ん♡」
喜多「あれ?
でも、なんか様子がおかしくない? なんか、ノリが変って言うか。
妙にクネクネして、一昔前のお色気キャラ?
妙に色気があるというか、お客さんへのファンサービスが過激すぎるっていうか。」
虹夏「ちょっと、ぼっちちゃんこの異常なテンション、大丈夫?
まさか、あの誰かから、お酒とか飲まされたりしてない?」(ちなみに、某アル中こと廣井 きくりを真っ先に疑っている。)
そう、心配するメンバーだったけど、実はぼっちは、パウチ(ぬ~べ~に出てくる、人をエッチな気分にする精霊)に憑りつかれて、ハイな気分になっていたのであった。
更衣室に向かうぼっち。
他人に見られたい、目立ちたい、注目されたい、男の子たちをみんな私の虜にしたい。そういう欲望が膨らんだ結果、超過激なステージ衣装で登場したぼっち。
ぼっち「ジャジャジャジャーン♡ あの、巷で噂のぼっちちゃんが|、超過激な悩殺衣装で大登場~♡
うっふ~ん♡ あっは~ん♡(ハイテンションなお色気キャラとして全身をクネクネさせるぼっちと、何事か?とドン引きするメンバー全員)
どうです? 似合います? あ、聞くまでもありませんよね♡
見えますか? 私のオーラ♡ これこそが、スーパースターの輝きです♡
やっぱり、私くらいの一流アーティストにして絶世の美女ともなると、平凡な衣装では満足なんてできません♡ そう、私には、もっとド派手に過激にモーレツにキョーレツに、キラキラ~ん♡と輝く使命があるんですよ~♡」
喜多「一流? スーパースター? 謎の自意識過剰。 自己評価……何様?
あの衣装、自分で買って来たのかな?」
山田「それにしても……過激な黒ボディコンの上が、いつものジャージって、前衛的にも程があるだろ!」
ぼっち「うふふ♡
この前の歌詞、つまんなかったから、即興でもっと過激でセクシーな内容に書き換えておきました♡
ロックってやっぱり、優等生じゃ駄目ですよね?
たまには、ちょっぴり悪い子にならないと♡(ぼっちちゃんとは思えない、まるでSM女王様のようなサディスティックな笑み)
ハートが熱く情熱的にビートしてこそ……エクスタシーを感じますよねぇ♡
うっふ~ん♡(全身をクネクネさせるぼっちと、何事か?とドン引きするメンバー全員)
ねぇ~ん喜多ちゃ~ん♡ 本番までに~、これ覚えて歌えるようにしてくれると、お姉さん嬉しいわぁ~♡♡♡
あっは~ん♡(全身をクネクネさせた後に大胆なセクシーポーズを決めるぼっちと、何事か?とドン引きするメンバー全員)」
山田「目が据わってやがるぜ。完全にキマってやがる。アッパー系か?(ガクブル)」
喜多「お、お姉さん!? ぼっちちゃん、いつからお姉さんキャラに!?
なんか、即興で物凄く卑猥な歌詞書いて来て「歌ってください」って渡してきたけど!? 何かいつものぼっちちゃんじゃないような……。」
山田「ふむふむ。(歌詞を読んで)面白いから採用!」
喜多「え!?」
虹夏「いや、待って! いまのぼっちちゃんに賭けて見るのもいいかもしれない……。
こんなテンションの高いぼっちちゃんは初めて見るし、きっと最高のライブになるよ。」
喜多「そ、そっか。これがぼっちちゃんの華麗なるメジャーデビューのきっかけになるなら……。
が、頑張って歌ってみる……! えいえいおー(ヤケクソ気味に)! やるぞ~! 歌うぞ~!」
さて、前のバンドの演奏が終わった。
次はいよいよ、結束バンドの出番。
やたらと、自身に満ち溢れて威風堂々とステージ上に登場する【ギタリストの女王様:後藤ひとり】と、その引き立て役の残り3人。
さて、本番が始まった。
ステージの最中、ぼっちは緊張するどころか、彼女の精神は、むしろ熱に浮かされたような激しい興奮の中にあった。
普段はあがり症でコミュ障のぼっちが、嘘のよう。
今の本人が自称するように、とても堂々としていてスーパースターのような余裕があって、そして自信過剰で傍若無人な振る舞いで。
まるで、この世界が自分のためだけに存在するステージで、自分の周りの全ての他人の存在が、世界一のスーパースター後藤ひとり女王様を引き立たせるためのバックダンサーであり、噛ませ犬の脇役として存在している。
そんな、凄まじいまでの傲慢な思い上がり。
過剰な優越感、誇大妄想。
そう、彼女は熱病に浮かされていたのだ。
とても邪悪で淫らな、夢の世界の支配者として、妖艶に、そして傲慢な女王様のように振舞って。
ライブ会場に集まった全ての人々の心を惑わし、誘惑して、トリコにする。
その姿は、ただ淫魔パウチに憑りつかれた被害者……というよりも。
まるで、後藤ひとりという彼女の存在その物が、生まれついてのサキュバスの女王様であるかのよう。
ぼっち「うふふ、可愛いわぁ♡
ぼうやも、お嬢ちゃんも、みんな我が魔曲のトリコにしてあげます♡
もう、二度と正気になんて戻してあげません♡
どこまでも狂わせてあげますよ♡ さあ、踊りなさい♡ 糸に操られた、意思の無い愚かな操り人形たち♡
私と言う魔性の悪女の、悪逆非道の女王様の手のひらの上で♡
破滅へのワルツを、さあ踊りなさい♡ 呪われた赤い靴に導かれるままに♡
もう二度と、逃がしてなんてあげませんよ♡ くすくすくす♡
お~っほっほっほ♡ この魔界の支配者は、女王様は、この私よ~♡
皆の者、図が高い♡ ひれ伏しなさい♡ お~っほっほっほ♡(完全に、キャラ崩壊中のぼっち)」
しかし……。
パウチ「飽きた。」
曲の終了とともに、パウチが飽きてぼっちの肉体から抜け出したため、ぼっちは正気に戻った。
ぼっち「あれ? 私、今まで何を?」
トリップ状態から正気に戻った時と言うのは、大体の場合、今までの快楽の代償としての現実を突き付けられるものだ。
それは、酒を飲んで気が大きくなり、酒の勢いでうっかり大きなやらかしをしてしまい、素面に戻った後に猛烈に後悔する酔っ払いのごとく。ハングオーバー的な、最悪の二日酔い。
視界に入って来るのは、会場の大熱狂と言うべき異常な盛り上がりと、人前で露出が激しい派手な格好をしている自分自身、そして「もっと卑猥な歌詞を書いて! 何でも歌うから」と興奮気味に言ってくるボーカルの喜多ちゃん。
脳裏に蘇ってくるのは、パウチに憑りつかれて異常なハイテンションになって正気を失ってる間に、自分自身がノリノリで犯してしまった、異常な言動と、痛い行動の数々。
大量に作ってしまった黒歴史。
それらの記憶が全て、彼女が正気に戻った途端に、全方位あらゆる方向から襲い掛かって来る。
突然、降りかかった急展開にぼっちは大混乱!
ぼっち「あわあわあわ。 本当に、今まで私は一体、何をしてたんでしょう……!?
薄っすらながら覚えてる記憶。
さっきまで異常なハイテンションで、過激な演奏やパフォーマンスを繰り広げた自分自身。何故か、自己肯定感が最大値を振り切ってて、まるで自分が選ばれし天才ギタリストで、絶世のセクシー美女であるかのように思い込んでて……。エッチなポーズでお客さんを挑発したり、かと思えば過激に中指を立ててお客さんに酷く汚い言葉(Fワード)を浴びせて挑発したり……。ギターを1つ叩き割って潰す過激パフォーマンスまでして……。
なんか、自分の事を女王様だとか、この世界の支配者だとか、誇大妄想がどんどんエスカレートして……。
凄くスッキリして、日頃溜まってた感情を全部吐き出して、とてもすごく気持ち良かった事を覚えてて……。
でも、どう収集つければいいの? この状況?
こんな恥ずかしい事ばかりしてしまって、明日もう家から出る自信がありません。
がくっ。(過剰なストレスと羞恥心により失神)」
それから何日か、ぼっちちゃんはずっと部屋に引きこもった。
ぼっち「こんな、呪いのお守りなんて、やっぱり受け取らなきゃよかった……。」
さて、今回の種明かし。
イベント本番前に、怖くなって逃げ出したぼっちちゃんは偶然、廣井きくりと出会って、相談に乗って貰っていた。
その時に、「気付け薬だ」と言って、あるボロボロのお守りを受け取った。
その直後だった。
ぼっちちゃんが突然、自信過剰なお色気お姉さまキャラに豹変して、全身を妖艶にクネクネさせながら、「私はスーパースターよ♡」と高飛車に笑いだし、まるで人が変わったかのように自信満々の様子で会場に向かい始めたのは。
きくり「本番当日に会場から逃げ出したあの子を、何とか立ち直らせようとした時。
周りから、「お酒だけは絶対にぼっちちゃんには飲ませちゃダメ」って言われたから、強く念まで押されたから……。
仕方なく代わりに「どんなアガリ症でも、物凄く気が強くなって自信過剰な女王様のように堂々と振舞う事が出来る、霊験あらたかなお守り」をお勧めしてプレゼントしてあげたけど、この間のステージ上手く行ったみたいで良かった良かった~。
あれ確か、淫魔パウチが封印されているお守りだったっけ?
そうだよ……(突然シリアスな顔になる、きくり)。
人は素面の状態だけでは、生きていけない。
私たちみたいなメンタル弱い人間はね、私たちみたいな弱虫がプレッシャーを乗り越えるためにはね……。
たまにはトリップして、頭をパーにしないとダメな時があるのさ。
酒、酒、世の中結局お酒なんだよ~っ!(ダメ人間って言わないで~)」
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