パラメータ爆上げ中(まぁ「ベストエンド」のフラグは立ってるだけどな♡)
シチュエーションと衣装を思いついたら次々それっぽいのが生成できるのは楽しいです。
「あ、ポテチ持ってきてきてくれた?」
「そんなにぎゅうぎゅうになってゲームしなくても……」
少年は恋人たち……金髪が眩しいニア、おとなしい銀髪のテヤン、リーダー格の黒髪少女、アカネ……にため息をついた。
「ママたちのプレゼント、ユーキの姉妹みんなで遊んでくれてるみたいね」アカネが微笑する。
「ママたちが『ゼガ』か『サイノメ』のどっちのハードにすべきかグループチャットで大議論してたぜ。結論でなくて両方贈ることになったけど」
「でも、『サイノメ』ハードの一人勝ち?ユーキの部屋にはこれ1台しかないよ」テヤンが【サイノメ・ステーション】のホーム画像をスクロールする。試供版も含め、大量のゲームがインストールされていた。
「【ゼガ・マークX】は僕の母親たちが占領しているんだ」少年が苦笑する。「真夜中のリビングで四人がかりでネットの向こうの【敵】を奇声を上げて殲滅してる。ストレス解消には最高だってさ」
「……オトナの人って大変なのね」アカネはため息をついた。
娘三人の婚約者……ユーキ……の家族は娘たちの一族からの金銭的な援助をやんわりとだがきっぱりと断ったため母親たちは事あるごとに彼に贈り物を、彼の母親たちが重荷に感じない程度のものを送ることが慣例となっていた。
少女たちの母親たちは自身の娘のアピールの絶好の機会として、他の二人の娘の親たちのそれよりも「より喜ばれる」贈り物をしようと家門と一族の名誉をかけたプレゼント合戦を繰り広げることになった。
しかしエスカレーションを重ねた結果、「このようなものはこの子『たち』のためになりません」と少年の母親たちに苦言を呈されるまでになり、娘親たちは「抜け駆けせずに相談し、さらにユーキの母親たちの了承を得る」という淑女協定を結ぶに至ったのだった……。
このゲーム機もその贈り物のひとつだった。
娘の母親たちは(これも慣例となっていた)母親たちひとりひとり宛に送られたお礼の手紙の内容に筆跡に「娘の花婿」の成長を我が子のように喜んでいた……。
「このタイトルは……お姉様が入れたの?」ホーム画面のタイトルを眺めていたアカネが尋ねる。
「特にこの……『学園お婿さん探し』系のこれは評判いいみたいだねぇ」テヤンがくすくす笑う。「セーブデータの数がすごい」
目をそらす少年。
確かにこのゲームは彼の5人の姉妹たちを夢中にさせていたのだ。
「なぁ、これ、オレたちも遊んでみようぜ」ニアが目をキラキラさせながら提案する。
「なにこれ!男子のキャラクターをカスタムできるのか!すごいすごい!15人も作れるんだ!」
「ニア、落ち着いて。デフォルトキャラではじめよう。キャラメイクに手をつけ始めるとゲーム始められないよ」アカネが指摘する。
「アカネは分かってない。この『悠久の恋』シリーズはキャラメイクだけで時間が溶けることで有名」テヤンはどこか熱に侵されたような口調だった。「ユーキそっくりのキャラ作るのに一晩かけたことも……痛い!」
アカネに後頭部を叩かれて銀髪少女は口をつぐんだ。
「まって!まだ夏休みにも入ってないのにこのクラクラするような展開はありえないだろぉ」ニアが天を仰いだ。「こんな高飛車生意気キャラなんて普通いたらぶん殴ってるのに」
「ニアは免疫ないから危険かもしれない……」少年は苦笑した。「ゲームのキャラクターに恋してしまうかも」
「それはそれ、これはこれだって!!」ニアが唇を尖らせた。
「それにこれ、自キャラのパラメーターしっかりあげないと、それはそれは無残な、まるで現実みたいなエンディングで途中退場させられるんだ……」相当やりこんでいたらしいテヤンがため息をついた。
「よし、では本気出そう」ニアが真剣な表情で画面を見つめた。
「あー。オレたちも【ステータス】とか見られたらいいのに」イベント成功画面を見ながらニアがため息をついた。「アイツ、オレのことどう思ってるんだろ?」
「ニアが我儘言ったらすぐに飲み物を取りキッチンに降りてったじゃない。星4つは確実」とテヤン。
「だといいけどな……」
またニアの悪い癖がでた。アカネは苦笑する。
普段は勝ち気で元気いっぱいの彼女がこの3人の中で一番臆病であることを黒髪の少女はよく知っていた。
「大丈夫」耳をひくひくさせてアカネが言った「わたしたち、パラメーターはしっかり上げてますから!」
「3+1バスケットでも学年優勝したし!」とテヤン
「ロングパス通すためにアイツにいっぱい走らせたけどな」とニア。
「音楽でも褒めてもらったし!」
「アイツ、コーラスが最後まで揃わなかったことは口にしてないけどな」とニア。
「クレーンゲームでも欲しい物全部取れるくらい幸運だったしょ!」アカネが断言する
「妹さんと弟君にぬいぐるみあげたから好感度もUP」とテヤン。
「……あのキャラクターが小さな男の子にあんなに人気だなんて知らなかったなぁ」ニアは苦笑する。
自室のドアをノックして、少女たちのお気に入りのドリンクを抱えた少年が戻ってくる。
その笑顔にアカネは確信する。
……大丈夫だよ。
ハッピーエンドのフラグは立ってる。
いまのみんなの笑顔がその証拠なんだから。
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 70
- Scale 10.0
- Seed 808207564
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras
- Strength
- Noise
- Steps 70
- Scale 10.0
- Seed 808207564
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras