歯車少女:クローエとはるか
数こそ多かったが動きが鈍く
修理?は特に苦労も無かった
それよりも クローエとトワには気になることがあった
感じるのだ 「時のほころび」のうごめきを
そしてそれもすぐに見つかった
見つけたのは彼らが助けた少女だった
「これ、何?……」
少女は半ばおびえたようにその空中に浮いた亀裂を指さす
「これって……お前これが見えるのか?」(人には見えないはずだが……)
トワが驚いたように聞いた
「おかしなことなのか?」
「クローエ、ちょっと黙っていてくれ」
「ふむ、では私は修理に取り掛かろう」
トワは少女に向き直った。そして務めて穏やかに聞いた
「おまえいつからこれが見えていた?」
「ずっと前、これとは違うけど3歳にころには見えていたと思う……」
「人に話したことは?」
少女は首を振った
「お母さんが人に言っちゃいけないって……」
「時の一族か……」(まだ生き残りがいたとはな)
「そういえば、まだ聞いてなかったな。お前の名前は?」
「はるか……彼方(かなた)はるか……」
「彼方だと!」
今度こそトワは飛び上がらんばかりに驚いた
「どうかしたのか?」修理に没頭していたクローエも
さすがに驚いて声をかける
「こ……こ……この子は……はるかは……」
「?」何がここまで普段はシニカルなトワを驚愕させたのかと
クローエは思った が 次の言葉にクローエも驚愕した
「はるかはお前の姉だ!」
クローエの手から工具が音を立てて落ちた
修理はあらかた終わっていた
呪文
入力なし