卒業校の図書室で……
赤上小織(赤髪兄)「え?」
突然声をかけられ驚いて振り返る赤髪兄こと赤上小織。そこには…………どこか見覚えがあるのだが誰だか分からないスーツを着た男性が一人立っていた。
小織「え、えっと……………あの…すいません、どちら様でしょうか?」
???「おいおいおい!お前…………って、あ~そっか、卒業して5年も経つもんな。さすがに覚えてないか」
小織「え?」
???「ほら、忘れたのか?お前が6年の時の担任の………」
目の前の男性に言われて、少しずつ記憶がよみがえってくる小織。そう、眼の前にいるのは………。
小織「え、えっと………もしかして、空田尾先生ですか?」
空田尾「そうそう!6年2組の担任だった空田尾澤琉(からだおさわる)だよ!」
小織「お、お久しぶりです……」
空田尾「はっはっは!どうしたんだよ、久しぶりに恩師に会って緊張してるのか?」
小織「い、いえ……別にそういう訳では……」
空田尾「しかし、元気そうで何よりだよ!赤上は昔っから小さかったからなぁ!華奢で背も低かったから………まるで女の子みたいだったもんな!」
小織「は、はぁ……」
親し気に……と言うよりはもう馴れ馴れしい感じで小織の背中をバンバン叩きながら話しかけて来る空田尾澤琉。
それに対し、小織はちょっと顔を引きつらせていた。
というのも、小織はこの空田尾という教師が苦手だったのだ。当時から小織に対してやたらと馴れ馴れしく、こうして背中を叩いたり、突然肩を組んできたり、いきなり抱きかかえられたりお姫様抱っこをされたこともある。それ以外にも、男子よりも女子をひいきしたり、生徒の身体に触れるなどのボディタッチも頻繁に行われており、正直女子たちからはかなり警戒されていた教師だった。
しかしここで小織は思い出した。そもそもこの空田尾という教師は小織が6年生の時の担任ではあったが、2学期の途中で急遽転勤していったのだ。何故学期の途中でいきなり転勤になったのかは知らないが、とにかくそれ以来あったことも無かったし、話も聞かなかったのだ。だから忘れていたとしても無理も無いだろう。
とにかく、そんな苦手意識を持った教師が相手だったので小織はさっさとここから離れたかった。だが……。
空田尾「しっかし、赤髪は今でも華奢なんだな。ちゃんと飯食ってるのか?」
小織「え……た、食べてますけど……」
空田尾「信じられないな。よし!今から先生と一緒に飯食いに行こう!なあに心配するな!ちゃんと奢ってやるって!」
小織「あ、いえ……」
空田尾「それじゃ行こう!」
空田尾は半ば強引に小織の手を掴むとそのまま歩き出した。手を掴まれているので小織は引きずられるようについて行くしかなかった。
・
・
空田尾「とりあえず一旦ここに寄ろう!懐かしいだろう?」
そう言って小織をつれてきたのは小織が通っていた小学校だった。
小織「え?……学校?」
意味が分からず混乱する小織。空田尾は小織を食事に行こうと言って連れてきたのだ。なのになぜ小学校なのか?
小織「き、給食でも食べるんですか……?」
空田尾「そんなはずないだろう?俺、今またこの学校で働いてるんだ。ちょっと見て行ってくれよ、懐かしいだろ?」
小織「は、はぁ……」
困惑する小織。空田尾が何をしたいのか全く分からなかったのだ。
そして空田尾は小織を連れて図書室へと向かった。
小織「………図書室?」
空田尾「そうそう、さあ入ってくれ!」
そう言って空田尾は小織を図書室へと連れ込んだ。そして…………カチャリと音を立てて扉の鍵を閉めてしまう。
小織「え………」
扉の鍵を閉めた空田尾を見上げ、呆然とする小織。何故鍵を閉めたのか分からなかったのだ。
そして次の瞬間、空田尾は小織の身体を思いっきり突き飛ばしていた。
ドン!
本棚にぶつかりそのまま倒れ込んでしまう小織。
小織「う……ゲホッゲホッ……」
空田尾「いやぁ赤上ぃ……ホント良かったぜ。すぐにお前を見つけられて」
小織「え………」
空田尾の言葉の意味が分からず呆然とする小織。それではまるで空田尾が自分のことを探していたみたい……。
空田尾「まったく……テメエのバカ親のせいで俺のハッピーな女児盗撮ライフを邪魔されるわ、学校にチクられて懲戒解雇になるわ、教員免許は剥奪されるわで……本当に散々な目にあったぜ」
小織「え………ど、どういう事……」
空田尾の言葉い目を見開く小織。つまりこの男は……小織の同級生の女の子達を盗撮していたのだ。
空田尾「まったくよぅ……テメエの写真だって数十枚は撮ってあったのによぅ」
小織「え………お、俺の……写真?」
空田尾「そうだよ!女みたいなツラしたお前の着替えの盗撮写真はなかなか良かったぜ!データも高く売れたしな!」
小織「そ、そんな………」
空田尾「全部順調だったのによ!売ったデータから販売ルートをたどって俺に辿り着きやがったんだよ!テメエのクソ親父がな!」
小織「お、親父が……?」
空田尾「だから警察が来る前にとんずらしたんだよ!そんでそれ以来ずっとテメエとテメエのクソ親父に復讐する機会を待ってたんだ!そんで、それがまさに今ってわけだ!」
愕然とする小織。まんまと騙されたことに気が付いたのだ。
小織「そ、そんなの親父は全く悪くないじゃないか!」
空田尾「うるせえ!タメ口きいてんじゃねえ!」
バシィン!
小織「あう!」
空田尾に思いっきり引っ叩かれて倒れ込む小織。そして空田尾はナイフを取り出すと小織に突きつけた。
空田尾「大人しくしろ、動くんじゃんねえ!」
小織「ひぃっ……」
空田尾「よしよ~し、いい子だ」
大人しくなった小織の服をナイフで斬り裂く空田尾。そしてカバンの中から、女性物のパンティとスカートを取り出した。
空田尾「穿け。上はタンクトップのままでいい。このパンティとスカートを穿け」
小織「は、はい……」
怯え、泣きながらボクサーパンツを下ろして女性物のパンティに脚を通す小織。そしてスカートも穿いてしまう。
空田尾「大人しくしてろよ」
空田尾はそう言うと、カバンの中からタオルや鉄製の枷を取り出した。この用意の周到さからも、空田尾が小織を見つけたのが偶然ではなく、最初から後をつけていたことが想像できる。
そして空田尾は小織の両手足を鉄枷で拘束すると、口にはタップリとガーゼを詰め込み、それが吐き出せないようにきつく口に猿轡をしてしまった。
小織「う……んむぅ……」
ポロポロと涙をこぼす小織。いくら苦手意識を持っていたとはいえ、教師だと思っていた人間がこんな事をする男だと知ってショックを隠し切れなかった。
空田尾「さあ小織……今度こそお前を俺のモノに……」
小織「ん?……む……うう?」
空田尾「本来ならお前は5年前に俺のモノになっていたはずなんだが………まあいいさ。このままお前を誘拐して、5年分溜まりに溜まった俺の欲望をお前の尻の中にぶちまけてやるよ!……クソッ!あの時てめえの親父の邪魔さえ入らなければ……」
その言葉で全てを察する小織。この男は5年前に小織を誘拐して姿をくらまそうとしていたのだ。だが小織の父天馬がそれを察知して事前に防いでくれたのだ。そしてそのことを逆恨みしたこの男は再び小織を誘拐して犯し、その映像を天馬に送りつけようとしているのだ。
空田尾「ところで、何でこんな所に連れてきたと思う?」
小織「んん?」
空田尾「実はな……ここには抜け道があって、5年前から俺のアジトと繋がっているんだよ!」
そう言って空田尾が床の一角を押し込んだ。
その瞬間……。
バシャーン!
空田尾「うお!?」
小織「んんん!」
突然頭の上から水が降ってきて二人をずぶ濡れにする。特に小織は上半身がタンクトップだけなため、乳首が透けてしまっていた。
小織「ん!ふんんん!」
恥ずかしそうに胸を隠そうとする小織。その様子を見て空田尾はゴクリと生唾を呑み込む。
空田尾「そ、そうだ……先にまずお前を犯して……」
そう言って小織にのしかかる空田尾。
小織「んんん!んむう!ふむうう!(やだあ!いやぁ!やめてぇ!)」
イヤイヤと首を振る小織。だが身体をは構わず、小織のタンクトップの上から透けた乳首にしゃぶりつき……。
天馬「いや、ここで始めるなよ。猿かお前」
空田尾「は?」
突然の声に呆然とする空田尾。いつの間にか空田尾の後ろに小織の父天馬が立っていた。
空田尾「テ、テメエはあの時のクソ親父!……へ!お前の可愛い息子がどうなって……ホゲロッ!?」
空田尾が言い終わる前に天馬のつま先が空田尾の顎にクリーンヒットした。そして……その一撃で空田尾は眼を回していた。
・
・
天馬「大丈夫か小織?」
小織「ふ、ふぇぇ……父さぁぁん!」
鉄枷を壊し、猿轡を外すと小織は泣きながら天馬に飛び付いていった。こうしていると本当に女の子のようだ。
天馬「ほら、もう帰るぞ」
小織「……コイツはどうするの……?」
天馬「もう警察に連絡してある」
小織「そっか……」
そのまま天馬に付き添われて小織は帰路についた。
・
・
数日後。
小織「なあ親父」
天馬「おいおい、この間は父さんって呼んでたくせに」
小織「なんであの時あんなにタイミングよく現れたんだよ?」
天馬「ギクッ!」
小織「あ!今ギクッ!ていったな!やっぱりあの時、出てくるタイミングを計ってたんだろ!」
天馬「まあ待て小織、ヒーローというのはな、ヒロインのピンチに登場するもので……」
小織「誰がヒロインだ!」
ギャーギャーいい荒らしを始める小織と天馬。
小鈴(妹)「お兄ちゃんとパパ、何ケンカしてるのかな?」
志織(母)「どうせしょうもない事だから気にしなくていいわよ」
伊織(祖父)「どうでも良いが、飯はまだかの?」
志織「父さんはあの二人の喧嘩止めてきてよ」
伊織「ワ、ワシが行くのか……?」
小鈴「お爺ちゃん、ガンバ!」
小織が誘拐されかけても意外と平和な赤上家。
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