私、ただのJKだよ!?
「ええっ!? 救世主!? 私、ただのJKだよ!?」
美桜ちゃんは慌てて叫ぶ。
だが、ミユ姫の表情は真剣そのものだった。
「この世界は、魔王の復活によって滅びの危機に瀕しています。勇者さまの力だけが、それを防ぐことができるのです」
ミユ姫の声には切実な響きがあった。
「いやいや、私そういうの無理だって!普通に家に帰りたいんだけど!」
美桜ちゃんは困りながら、状況を否定する。
それでも、ミユ姫は彼女をじっと見つめた。
「わかります。突然召喚されて、困惑されるのも当然です……。ですが、この世界を救うためには、あなたの力が必要なのです」
姫は一歩前に進み、手を胸の前で握りしめた。
「そして、この世界の謎を解き明かすことが、あなたの元の世界に帰るための手がかりになるかもしれません」
その言葉に、美桜ちゃんの動きが止まる。
「帰れる……かも?」
美桜ちゃんは小さく呟いた。
「確実なことは言えませんが、召喚術の記録には、その方法が書かれている可能性があります。ですが、そのためにも、あなたの力が必要なのです」
ミユ姫の目は涙で潤んでいた。
その真摯な態度に、美桜ちゃんはぐっと言葉を詰まらせた。
「……ちょっと待って。なんで私がそんな重要な役目を?」
半信半疑で問いかける美桜ちゃんに、ミユ姫は小さく微笑みながら答えた。
「あなたがこの世界に召喚された存在だからです。召喚には必ず何か意味があるはず。そして、あなたにしかできないことがあると、私は信じています。」
美桜ちゃんはしばらく黙り込んだ。
帰る手がかりが見つかるかもしれない――その言葉が、頭の中をぐるぐる巡る。
「……しょうがないなあ。ちょっとだけなら協力するよ。でも、本当に帰れる方法、見つけてよね!」
そう言って観念したようにため息をつく美桜ちゃんに、ミユ姫はパッと明るい笑顔を見せた。
「ありがとうございます、勇者さま!」
ミユ姫は美桜ちゃんの両手をぎゅっと握りしめた。
その顔には安堵と感謝の色が浮かんでいる。
「その『勇者』っていうの、なんかムズムズするね。私、美桜。美桜って呼んで!」
「勇者様のお名前はミオというのですね!ミオ様とお呼びしてもよろしいですか?」
「『様』っていうのも固いなぁ。友達はみんな美桜ちゃんって呼ぶよ。」
「では、ミオちゃんとお呼びしますね♪」
「えへへ。」
こうして、美桜ちゃんは「勇者」としての第一歩を踏み出したのだった。
続く。
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あらすじ
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次回
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いよいよ勇者美桜ちゃんの冒険がスタート!
一体どうなってしまうのか!?
あと、ミユ姫結構気に入ってます♪
呪文
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