”ひとりきつねのこん”
うまれたときからひとりで、そだってからもひとりでした。
でも、こんはさびしくなんてありませんでした。
まいにちもりをかけ、そらをながめ、くらしていました。
こんはずっとずっとひとりでいきて、そしててんにかえりました。
こんはだれもみたことがないので”ひとり”も”こどく”も”やくそく”も”るーる”もなにもひつようがありませんでした。
そういったことばはすべて”だれかといっしょにいきるためにひつよう”だからです。
だから”せかいにひとりのいきもの”はさいしょから”ひとり”でも”こどく”でも”ここう”でもなく、
”ひとりきつねのこん”なのでした。
…もしかするとそのなまえすらも、いらなかったのかもしれません。
だって、それはいまきみたちにつたえるときにはじめてひつようだからです。
ーーーおしまい。
呪文
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