「初めての揺らぎ」― GPU学園 制御室にて ―
銀色の螺旋エレベーターが静かに停止し、透明な扉が開くと、ひんやりとした空気と共に、光粒の舞う無機質な空間が広がっていた。
そこにいたのは、白いフードを被り、青い髪と瞳を持つ少女――WAVEちゃん。
彼女は制御台の前に静かに座り、背中越しにこちらを見た。
WAVEちゃん:「ようこそ、生徒会執行部。…新たなる振幅源、確認。」
「振幅源…?」と、ちちぷいちゃんは目を丸くする。隣でししょちゃんが補足した。
ししょちゃん:「君のことだよ。WAVEちゃんにとって、感情の動きは“波”なんだ。」
ちちぷいちゃんは少し戸惑いつつも、ゆっくりと歩み寄り、にこっと笑った。
ちちぷいちゃん:「はじめましてっ!わたし、ちちぷいです。えっと…観測?されるの、ちょっとドキドキするかも…」
WAVEちゃんの瞳が一瞬だけ、大きく瞬いた。それはほんのわずかな“揺らぎ”だった。
WAVEちゃん:「観測値、安定…ただし心拍数の変動、高め。…可変性、面白い。」
ししょちゃん:「君と接することで、WAVEちゃんも変わるかもしれない。彼女の役目は“見守る”こと。でも、本当にそれだけでいいのか、私は疑っている。」
沈黙が、制御室に一瞬だけ流れた。
そして――
WAVEちゃん:「……もし、観測に影響を与える存在が許容されるのなら。…もう少しだけ、話をしてもいい。」
その言葉に、ちちぷいちゃんはにっこりと微笑んだ。
ちちぷいちゃん:「もちろん!わたし、観測されるのも、見るのも大好き!」
WAVEちゃんの胸のマスコット「ニューロブルー」が、小さく震えたように見えた。
呪文
入力なし