アイドル
この日の撮影は、特別なものだった。企画は「アイドル・エクスポーズ」――アイドルをテーマにした露出コスプレ。衣装はピンクを基調としたフリルたっぷりのステージドレスで、胸元が大胆に開き、短いスカートの下はノーパン仕様。胸と秘部が丸見えになるデザインに、陽葵の心がざわついた。スタジオの更衣室で衣装を手に取り、彼女は深呼吸した。アイドル時代、ステージでファンに笑顔を届け、ものまねで会場を沸かせた思い出がよぎる。「あの頃の私は、みんなを幸せにしたいって思ってたのに…今は自分の身体を売りにしてる」。誇りが葛藤を生む。神楽坂46の下位メンバーだったが、グループの絆やファンの声援は、陽葵のアイデンティティの核心だった。この衣装でAVに出演するのは、過去の自分を汚すような気がした。
それでも、陽葵は着替えを始めた。トップスを脱ぎ、胸を露わにし、スカートを履く。下着を付けないまま、鏡に映る自分の姿を見た。ピンクのフリルが可愛らしく揺れ、胸のピンクの乳首と秘部の剛毛が強調される。恥じらいが込み上げ、頰が赤らむ。「本当にこれでいいのかな…」と心が揺れた。アイドル時代の清純なステージ姿と重なり、涙が滲みそうになる。だが、深呼吸して決意を固め、髪をツインテールに結び直した。ピンクのリボンを付け、鏡に向かって微笑む。「誇りを捨てない。アイドルだった私が、今の私を輝かせるんだ」。
セットに立つと、スポットライトが陽葵を照らした。背景はコンサートステージを模したもの。監督の声が響く。「陽葵さん、自然体で! アイドルのような笑顔を」。彼女は下着モデルやこれまでのAV経験を活かし、堂々とポーズを取った。手を振り、胸を強調するアングルでジャンプし、スカートを捲り上げて秘部を露出するシーンでも、視線をカメラに固定。ツインテールが軽やかに揺れ、プロ意識が光る。撮影中、葛藤が再び湧いた。「ファンを笑顔にしたい気持ちは変わらないのに、こんな姿で…」。だが、カメラの向こうにいる視聴者を想像し、「これも、私の新しいファンへのプレゼントだ」と自分を納得させた。
終了後、陽葵は更衣室で息を吐いた。葛藤は消えないが、撮影をこなした達成感が胸を満たした。「神楽坂46の陽葵は、永遠に私の誇り。でも、今の私はここで輝く」。AV業界での道は続き、彼女はさらに前を向いた。
(了)
呪文
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