白い旋律の少女
どうしてこんなに胸の奥をくすぐるんだろう。
彼女はその静けさの真ん中で、まるで一輪の白い花みたいに立っていた。
控えめなのに目を離せない。
柔らかい白のドレスは一切の飾りを拒むようで、
代わりに彼女自身の透明さをそのまま映してくれる。
肩に落ちる布の流れが、ため息みたいに繊細で
ただ立っているだけなのに絵になるって、ずるいレベルの才能だよね。
まっすぐな黒髪と、落ち着いた眼差し。
“強い自信”というより、
「音楽を大切にしてる気持ち」がすべての中心にある感じがして、
その穏やかさが逆にすごく心を揺らしてくる。
ステージに立つ人って、本当はみんな小さな決意を抱えてる。
この子もたぶん、同じ。
怖さも期待もどっちも抱えたまま、
それでも一歩前へ出るために白いドレスを選んだんだと思う。
そしてその選択が美しい。
誰かのためじゃなくて、自分のために“清らかさ”を纏う強さ。
そんな人が奏でる音って、
きっと聴く人の心をそっと撫でるように広がっていく。
静かで、優しくて、強い。
そんな“白い旋律”みたいな女の子の、ステージ前の一瞬。
呪文
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