謎の館に進入
何度呼んでも誰も出てこなかった。鍵は開いていた。レポーターとカメラマンは屋敷に足を踏み入れた。
カメラをまわしながら奥に進むと、地下室と思われる方向から光が漏れていた。そちらに向かう。
<トントン>
ノックしてみたが相変わらず何もリアクションがない。レポーターはドアをゆっくり開けた。
「失礼します・・・」
そこに広がっていたのは、様々なアイテムだったが、明かりはろうそくなどがついていて、部屋に誰かいたことを物語っていた。
「誰かいませんか?無断で入ったのは謝ります。私は〇✕テレビのレポーターです」
「・・・」
しばらく返事を待ったがやはり応答はない。
「部屋の奥で気づかないんじゃないか?」
ひとまず奥に進んだ。
「あ、あそこに扉ありますよ」
「他は入ってきたドアしかないよな」
レポータはそのドアの前に進み、再びノックした。
<トントン>
返事はない。ドアを開けた。
中は暗く、奥に廊下が続いているのだけは見えるが・・・
「行くしかないでしょう」
「そうだな」
照明を用意して照らしてみると、廊下は少し先で右に曲がっている。
「行くぞ」
「ええ」
2人は奥に進んだ。
「映像が切れたぞ」
屋敷の外でモニターを見ていたADや他のスタッフが騒然とした。
「お前たち見てこい。何かあったらまずい」
数名が屋敷に入っていった。
だが、この調べに行った数名も携帯の通話が切れた。
「電波が入らない地下なのか?それにしたって、それなら誰か戻ってきても・・・」
残ったスタッフに不安が広がったところで、ADの電話が鳴った。
「どうした?」
『大変です!』
「どうした!」
『消えました!』
「誰が!」
『誰というか・・・屋敷の中が消えていきます・・・』
「は?」
『・・・こっちくるぞ!早く逃げるぞ!・・・<プツン・・・ツーツーツー>』
電話はそこで切れた。
その後の調査で屋敷の地下室は無くなっていた。最初から無かったのではないかというのが警察の見方だ。
1か月経っても5名の行方不明者は発見されていない。
呪文
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