【樹海のかみさま】だから、僕は月潟琵樹を否定する
【ハーメルン掲載】紫陽花の季節に会いましょう著:樹海のかみさま ーメス堕ちENDを回避したい男の娘ヒロインは闇堕ちしてみることにしたー2章31話:だから、僕は月潟琵樹を否定するよりインスパイア
「許す価値がありますか? 愛する価値がありますか? 貴方だって何かのために犠牲を強いられたのでしょう? ならどうして憎悪しないんです?」
僕だけじゃない、僕の奥底にある山の神の本能が憤怒する。すでに感情は本能に支配されているといっても過言ではないだろう。だがそれでも確かに僕も怒っている。目の前の少女も、怒る権利は確実にある筈なのだ。
だが、僕の言葉を聞いても尚、月潟は臆することも怯むこともなく、ただ凪のようにそこにいた。そして、
「それが全てじゃないからだよ。憎悪だけが全てじゃない、それ以外も沢山知ってるから、だから私は赦すよ」
「……………あは、あははは、あはははははははは! 理解できません! 理解できない! 全員殺すべきです! 惨たらしく! 残忍に! 徹底的に!」
「この話は平行線だよ。私は山の神の憎悪を知ってる。どんな善人だろうとあれだけの怨嗟を受け止めれば正気でいられるわけがない。君だって、もう壊れかけていることには気づいてるんでしょ?」
「……くすっ、あは、あははは、あははははははははははははは!!!」
月潟の言葉に、僕は思わず笑ってしまう。壊れてるのなんてとっくにわかってる。そうでなければそもそもかみさまと出会うことすら無かった。
「きっとそれが本心じゃなかったとしても、その憎悪は君という個を殺す。これはそう言う呪いなんだ」
「だからなんだと言うんです? 私は私が壊れて動かなくなったとしても、この憎悪をとめません。未来で貴方がやったように、北湊の人間を1人残らず根絶やしにするでしょう!」
「……………そんなこと、させない」
月潟はキッと僕を睥睨する。
それは怒りだった。僕が言う北湊に対する怒りではない。明確に、僕の今の言葉に対する怒りだった。
彼女の怒りは、今にも泣き出しそうな怒りだ。自分のための怒りではなく、誰かのための……多分、その相手は……。
「君を止めるよ、ほの囮くん。『私』が『かみさま』から君を解放してみせる」
ああ、やはり月潟は優しい女の子だ。そして強い。きっと僕より数倍も。
ーーだから、僕は月潟琵樹を否定する。
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