伸びるタケノコに挑むカタツムリ
一本のタケノコが生えてきました。
長さ10センチあるとします。
タケノコの成長は速く、1分間に2センチも伸びます。ただし、伸び方はあたかもゴム紐を引っ張ったように全体に一様に伸びます。
今、その根本から一匹のカタツムリがてっぺんを目指して登り始めました。
カタツムリの歩く速度は1分間に1センチです。
カタツムリはタケノコのてっぺんに辿り着けるでしょうか?
時間は無限にあり、タケノコはいつまでも同じ速さで伸び続けるものとします。
一見したところ、タケノコの伸び方はカタツムリの歩みよりも2倍も早いので、カタツムリはいつまで経ってもてっぺんには辿り着けなさそうです。
そうでしょうか?
カタツムリからタケノコのてっぺんまでの距離は最初10センチ、1分後にはタケノコは12センチになりカタツムリは1センチしか進みませんから、この時点でカタツムリからタケノコのてっぺんまでの距離は11センチになってしまいます。辿り着くどころかどんどん遠ざかっていますよね?
さらに1分後はどうでしょう?タケノコの長さは14センチ、カタツムリはスタートから2センチしか進んでいません。
でも、ちょっと待ってください。
タケノコは全体に一様に伸びます。
ということはカタツムリが既に進んだ下の部分でも伸びていることになります。その長さは全体が12分の14なので1センチ✕12分の14。
カタツムリ自身が進んだ1センチと合わせて12分の26。
つまり2センチよりも少し長く進んだことになります。
そしてカタツムリより下の部分は極めてゆっくりながらも、タケノコ全体に対する比率で少しずつ前進していくことになります。
これを積み重ねていくと、ある時カタツムリはタケノコ全体の半分の位置まで到達します。
この位置が地面から離れる速さは、毎分2センチの半分、毎分1センチです。
そしてこの位置からタケノコのてっぺんが遠ざかる速さも毎分1センチです。
つまり、この瞬間を境にカタツムリはタケノコのてっぺんに近づき始めるのです。
この瞬間のカタツムリが地面から遠ざかる速さは毎分2センチです。
ここからも既に進んだ分のタケノコの成長速度をプラスしたカタツムリの速度はどんどん加速していき、
ついにタケノコのてっぺんに辿り着く瞬間の速度は、
タケノコの成長速度毎分2センチとカタツムリ自身の歩行速度毎分1センチとを合わせた毎分3センチとなります。
まあ、実際に何分後かの計算は私には出来ませんが、理屈だけそのように解釈しております(^_^;)
元ネタ:マーチン・ガードナー著「数学ゲーム」第何巻だったか忘れました・・
原著ではゴムの棒と這う虫となっております
呪文
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