跳躍、一撃(VEGA)
画像は今回の話の最後の一文を表現したものになってます。
(前回)
https://www.chichi-pui.com/posts/ac6c92f9-4628-4e82-985a-1a42b045fd04/
一合、三合、八合。
尋常ではない気迫と手数の多さ。
しかもそれらは呪い憑きの動きを封じる為、部位の繋ぎ目を正確に狙って打ち込んでいる。
生物ではない、人形だ、というのは身体の露出部が木だったことからもわかった。
腹の立つことにとても作りが精巧らしく、だからこそわけのわからない軌道で防ぎ、攻めてくる。
彼女も防御の薄そうな接合部を狙うのだが、でたらめに振り回す刀や腕で弾き返されていた。
(なめやがって、木偶ごときがっ)
怒りで頭は沸騰しそうになるのと引き換え、神経と身体の動きは研ぎ澄まされていく。
斬撃の速度は増す。押す。それでも相変わらず傷はつけられない。
自身はほぼ捨て身。急所でなければある程度は諦めている。
羽織の袖が裂け、あちこちから鮮血が舞う。それでも人形を一歩ずつ押し込む。
時折、副隊長が横合いから斬りかかる。
斬りかかって一歩引き、また間合いを計って斬りかかる。
はっきり言って攻撃としては役に立っていない。
隊長への、呼吸と次の動作までの時間稼ぎ。
しかし彼女はそのおかげで攻撃を繋げられていた。
数十秒か、数分か。
攻防は続き、そうして二人の連携で徐々に押し込み、彼女たちは人形を湖の縁へ追い込んだ。
隊長である彼女は腕や足の至る所から流血し、しかしそれらを浴びる人形は意にも解せず息の根を止める為の乱撃の手を止めない。
ここまでか。
できたら自らの手で討ち果たしたかった。
しかし、今を逃す手はない。
合図をするまでもなく副隊長が引きざまに上を向いて、ヒャッ、と高い鳴き声をあげる。
それに呼応するように一本の高木が揺れた。
――ヒャオオオオオーーー
影がくるりと一回転して落ちてくる。
そしてそれは人形の脳天めがけて大槌を振りかぶっていた。
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今回の挿絵はこちらの狐娘という設定です
https://www.chichi-pui.com/posts/e4b25851-9c9c-4c0c-9d1c-577daf4aadc3/
交戦している人形
https://www.chichi-pui.com/posts/e80e7890-5dcc-4125-a397-f83db06ec8ac/
VEGAは躍動感あるシーンという生成のレベルもかなり高い気がします。
他のSDXLモデルだとあまり動きが感じられないものが出やすく、かなりやり直しましたが、こちらの画像は無料生成の数回で出たやつです。
着物の模様を青海波にしたせいか波しぶきも出てますが、湖のシーンだったので逆に良かったかも。
これに関しては大槌が棍棒になっちゃったのが唯一残念…だったので同じ内容で別モデルにて生成したやつも別途投稿してますのでよろしければ。
https://www.chichi-pui.com/posts/a17dc539-9819-4e51-a7e5-f4ed9c512409
呪文
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