#14 死後チートライフ

2025/05/09

使用したAI Stable Diffusion XL

《死後チートライフ》第14話：転生
「うう……天使のお姉ちゃん、ぼくのキャンディーマウンテンはどこ？」
リオは今にも泣きそうな顔で言った。
ソフィアは優しいお姉さんのようにリオの手をしっかり握り、穏やかに言った。
「キャンディーマウンテンはもうすぐそこだよ。いい子にしてたら、たくさんのおいしいお菓子が食べられるからね。」
「ほんと？ぼく、いーっぱい食べたい！」
リオは目を細めて、無邪気な笑顔を浮かべた。
ソフィアはリオを転生の通路まで連れて行くと、彼がよそ見した隙に、突然足で蹴り飛ばした。
「うわああああああーーーっ！」
転生の通路は巨大なすべり台のようで、リオの魂は風のように滑り落ちていった。まるでロケットのようなスピードで、風の音が耳を切る。
やがて辿り着いたのは、なんと病院の分娩室。緊張感のある空気の中、分娩台には苦しそうにうめく妊婦の姿が見えた。
そのとき、突然、短く茶色い髪の少女が現れ、リオの後ろにいた魂を押しのけて、リオの隣に割り込んできた。
リオはパチパチと瞬きをしながら、現れた女の子を見上げた。どこかで見たことがあるような気がするけれど、三歳程度の知能では思い出せない。
「お姉ちゃん、だれ？」
彼は首をかしげて聞いた。
その短髪の少女は複雑な表情を浮かべながらリオを見下ろし、そして長くため息をついた。
「ハンナよ。やっぱり……リオ、私のこと忘れちゃったのね。」
「なにを？」
リオは困ったように目をぱちくりさせた。
ハンナは少し笑ったような、切なげな表情を浮かべた。
「大丈夫。きっと、また思い出してもらうから。」
その瞬間、リオが何か言い返す前に、2人は強い吸引力に引き込まれ、妊婦の体内へと吸い込まれていった。
—
「おぎゃあああーー！」
産声が響き渡る分娩室。柔らかな光が差し込み、医師が小さな赤ちゃんを抱き上げた。
「女の子です。」
数秒後、もう一つの産声が響いた。
「もう一人います！男の子、双子ですね。」
女の子が姉、男の子が弟だった。
だが、不思議なことに、姉の赤ちゃんは生まれてすぐにぱっちりと目を開けていた。澄んだ目で、まるでこの世界を観察するかのようにじっと見つめている。
泣くことにはあまり興味がないようで、ただ弟が看護師に連れていかれた瞬間だけ、ほんの少し不満そうに眉をひそめた。
「この子の目……ただ者じゃないな。」
医師は小声でつぶやいた。
一方、弟のリオは典型的な新生児のように、大声で泣き叫びながら手足をばたつかせていた。きっと、まだ“キャンディーマウンテン”のことを諦めきれないのだろう。
「お二人とも元気ですよ。おめでとうございます！」
看護師は微笑みながら、双子の赤ちゃんを母親のもとへそっと抱いていった。

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