小説『Flower and Bright』【ニャンノ世界】
『Flower and Bright』
純白ドレスに香る
春風、夏風、秋風、冬風
どれも同じ景色だが、
四季が織り成す色が、
全く異なる趣を感じさせる。
表現手段たるものは
紙や電話、データ、
会話たるものだけなのか、
模索する…構築する…
毛魂派の画家は悩みに耽る
アートとエロスは紙一重
好きがエロスを越えれば
崩壊してしまう危うさの中で、
画家はルミナスを捉え描く
白き衣に溢れる生命たる源
その毛たるものを逃すことなく
つぶさに細かく見つめていた。
顕微鏡たる慎重さで、
一つ、一つを…
タナトスとリビドーが沸き上がり
つつも、それらを制御しだしたる
アートによるもの…
美しさとは何たるか
儚さとは
生命とは
慈愛とは何たるかを
画家は描くうちに、
気づかされていくのだ。
単なる裸体を求めているわけではないし、肉欲のためでもない…
日常の一端、ささやかな幸せたるものを感じる瞬間が、
ルミナスの所作や、
本を読んだり、立ち振舞いに、
心が弾む
「画家さん、ぼぉ~っとしちゃって、うふふ」
夢に耽るな、現在に甘えるな
否定の中で繰り返してきた
画家の心に、少しばかしの
光が灯る、それは肉欲でも愛欲でもない…アートたるものの根源に触れるメッセージをルミナスを見つめるうちに浮かぶのであった。
まだまだ、画家は未熟、発展途上である…だが、それでいい、
それは未知が多い証拠、
世界がまだまだ広がる可能性に溢れてるのだから…
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。