天使さんのティータイム(タイトル:空の上のティータイム)
お題「みんなの絵本」より、童話絵本っぽく描いてみました。
天使の羽はしまってお茶会をしております。
タイトル:空の上のティータイム
青い空のもっと上、雲のふわふわがソファみたいに浮かぶ天界に、小さな秘密のティーガーデンがあります。
その真ん中、丸いテーブルを囲んで、天使のガブリエルが紅茶をそっと注いでいました。きらきらと光るガラスのティーポットから、甘いバニラの香りがふわっと広がります。
「ふふっ、ねぇ聞いて、今日はうまくいったの!」
ガブリエルが声を弾ませると、テーブルの向かいにちょこんと座る二匹のウサギが、ピンと耳を立てました。
白いふわふわの毛並みが自慢のアルバート、そしてまあるいおなかの茶色ウサギ、ミルティです。
「うまくいったって、なにが?」
「まさか、また誰かに虹を降らせたの!?」
ガブリエルはくすくす笑って首を振ります。
「ちがうの。今日はね、ある小さな町で泣いていた男の子に、勇気のしずくを届けたのよ。そしたらその子、ひとりで学校に行けたの!」
「すごいじゃないか!」
「やった〜!ガブリエル、えらいえらいっ!」
アルバートはカップを持ち上げて「かんぱ〜い!」と叫び、ミルティは嬉しさのあまりティースプーンをテーブルに落としてしまいました。
ガブリエルはふわりと羽をひろげて、照れたように笑います。彼女の背中の羽根は、ほんのり金色の光をまとって、風にそよそよと揺れています。
「やっぱりね、笑顔っていちばん素敵な魔法だわ。」
「じゃあ今度は、誰に魔法をかけるの?」
「わたし、しっぽが絡まって困ってるリスくんの願いを聞いたことあるよ!」
「それなら、昨日ミルティが昼寝しながら唱えてた“お昼寝3時間に延長してほしい”って願いも届けて!」
「ちょ、ちょっと、それは願いっていうより…ただの欲張り〜!」
3人は笑いころげました。ティーカップはカチンと可愛らしい音を立て、紅茶の波紋がくるくると虹色に揺れます。
空の上、天界のティーガーデン。
今日もここでは、小さな幸せを運ぶ天使と、ふわふわの仲間たちが、笑いながらお茶を楽しんでいるのです。
――つぎの願いを届けるその時まで。
呪文
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