第一機械化歩兵広報PR
「あのさあ、MAKIさんよ」遠藤少佐が為口で言った。
「はい、少佐何でしょうか」副官のMAKIはサラリと答える。
「この広報は一応各自治都市や外国にも公開するんだわ。知ってるよね」
「はい、少佐」
「広く人選しろと言ったよな。前回でも言ったよな」
「はい、少佐」
「またひとりでやったな・・・」
「・・・はっ。・・・・・何で分かりました?」
「お前さ、どんなに容姿替えても左腕を曲げる癖があるんだよ。恐らく無意識だろうがな」
厳しかった顔のMAKIの眼が見開き、やがて優しい顔になった。
「よく見てますね。流石ですね少佐。良いストーカーになりますよ」
「どこがストーカーだ。機械だろうが人間だろうが俺の副官は優秀でないと困るし、バカなら俺が死ぬ。
俺は早期退職して年金生活がしたいんだ。悪いか! それから谷澤中尉とあんま喧嘩すんなよ。
彼女の親御さんが機械化歩兵推進の最大の理解者なんだ。援助も多いし、俺にとっての金脈なんだ」
「ああ、あの押し掛け女房副官ですね。善処します」MAKIの眼が氷のように冷たくなる。
「おいおい、・・・まあいいや。お前の言いたいことは分かるが、予算を通してくれたのは事実だ。
機械人権も成立の後ろ盾になってくれたから成立できた。谷澤少将は軍事面で発言力も強いし元は商家だから金持ちだ」
「結局はお金ですか? あなたは土下座少佐とも言われてますよ。いいんですか?」MAKIの眼が感情のない戦闘眼に変わる。
「悔しいが予算がないと何もできん。こればっかりはどうにもならん。まあ世の中金を持っている奴が一番強いということだ。
そのためなら俺の土下座なんぞ安いものだ。おかげで第三機械化歩兵の創設が半年も早まった。1年前にお前以外全滅した小隊連中への手向けだ」
MAKIの眼が丸くなった。遠藤少佐は薄く笑った。予算等の獲得のために国防省、兵部省、財部省、法務省と土下座行脚したのだ。
「あの話は違いますが、谷澤中尉は少佐に相当惚れていると感じました。結婚されるんですか?」MAKIの声が低い声で言った。
「まさか、彼女は公爵の娘だし俺はバツいちさ。24で結婚して1年後に相手が列車事故で事故死してな。被害者は衝撃で皆バラバラだったらしい。
でも俺の相手はすぐに見つかった。左手の結婚指輪で身元がすぐに分かった。もっともちぎれた左腕だけしか見つからんかったが・・・」
遠藤少佐はしばらく窓の外を見ていた。否、もっと遠くを見ていた。MAKIは言葉を失った。
「とにかく、大隊規模で副官2人は異例なんだ。まあ、うまくやってくれ。それと・・・」
「それと」
「MAKIはやっぱり美人だな。機械だろうが俺はお前が気に入っている」遠藤少佐はニコリと笑った。
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