小説:雪と緑のたぬき
そんな昼下がり、僕はコンビニに駆け込んだ。棚の上で緑のパッケージが僕を誘う――「緑のたぬき」。
お湯を注ぎ、蓋を閉めて3分。待っている間、雪が顔を叩く。だが湯気と揚げ玉の香ばしい匂いが、寒さを一瞬で忘れさせる。
蓋を開け、黄身をそっと落とす。ネギを散らし、七味をひと振り。箸で麺をすくうと、もちもちのうどんと天かすの香ばしいコクが口いっぱいに広がる。寒さで縮こまった体が、じんわりとほぐれていく。
スープを最後まで飲み干す頃、外の雪も冷たい風も、全部遠くに感じた。寒空の下、小さな丼が僕にくれた温かさと幸せは、世界のどこよりも完璧だった。
「緑のたぬき……やっぱり最強だな」
呪文
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