小説『真夏の甘美』【ニャンノ世界】
『真夏の甘美』
青く澄みわたる空、
腕を組んで欲しいはずが
なんだか恥じらいを伴ったのか
徒然シズクはまな板な胸を
抑え…腋毛も隠すようにしていた
「視点が、腋毛フェチなことは知っているけれど、水着って布一枚だから、好きな人にしか見せたくない」
「大丈夫だ、シズク、君の毛も、君の肌もファッションの一つであり、世界なんだ…だから…行こうなんていわない…、隣に座って考えてみるよ」
「うん…、ちょっと、視点キモかったけど」
「確かに、僕も思った…」
「自覚してるんだ…」
「自覚しなくちゃ…節操ないやつにはなりたくないだろう」
「うん…」
波寄せて青、
青よせて空、
雲、夏の終わりというのは
澄み渡っていて美しい…
「天気が綺麗だね…」
「うん」
去年の夏も思えば、
海から始まった。
夏の日差し…
晴れ渡る空、
視点くんは空を仰ぎながら
呟いた…
「有象無象の形のなかで、なにかを見つめるってのは簡単じゃないな、だけど、そのなにかを捉えるために見つめてるんだよな」
「水着…ちょっと、変えてもいい」
シズクが呟く…
「いいよ、」
水着は一つとは限らない
様々な種類がある…
その探求のために
励むのも一興か…
呪文
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