手のひらサイズの絶景鉄道/スマホ壁紙アーカイブ
谷を抜け、川沿いを駆ける列車。
窓の外には山と青空が広がり、
風景はまるで本物のように鮮やかだった。
だが乗客たちは気づいていなかった。
自分たちが走る線路は巨大な机の上にあり、
彼らを運ぶ列車は人の手の中に収まるほどの小さな存在だということに。
ときおり空に影が落ちる。
そのたびに、巨大な指先が列車の屋根をそっとなぞり、
進行方向を微調整してくれる。
誰もその「神の手」を見ることはできないが、
旅人たちは知っていた。
この絶景鉄道は手のひらの上にあり、
それでも旅は確かに続いているのだと。
——そんな夢想に浸りながら、今日も鉄道模型づくりに勤しんだ。
呪文
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