(12)ありがとう
「リズさん、」
リティルが真剣な面持ちで口を開く。
「私、リズさんに感謝しています。本当に」
「なんだよ、藪からスティックに」
リズが笑う。
「藪からスティック…って何です?」
「ああ、いきなりって意味だよ。古い言葉だ。あたしは終末前の生まれだからな…」
「それを言うなら、「藪から棒」です…」
リティルは呆れた顔で返す。
「お、おぅ…、そうか…」
「そんなことより! 私、あの時いたのがリズさんの店じゃなかったらきっと…捕まってた…。そしたらきっと…殺されてた…。もしもうまく逃げられたとしても…、一人じゃここまで来ることなんて…」
「なんだ、そんなことかよ。今はあたしがいる、だろ?」
「…はい」
「それと、あたしのことはリズでいい。その堅苦しい喋り方もいいかげんやめろ」
「…は…、うん、わかった…。ありがとう、リズ」
(次)死を選ぶな!
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