夏草冬濤
「何もとっておらん」
「それじゃ、俺がこんど何か持ってきてやる。読んでみろ。小学校の時、先生が何か読めといったろう」
「言わん」
「仕様がねえ小学校だな。こんど、試験はできたか」
「できん」
「じゃ、寺だな」 (※寺送り、平たく言えば落第コース)
「うん」
「寺へ行ったら、俺が仕込(しこ)んでやる。お前、詩を書いてみろ。もしかしたら、書けるかも知れん。いま、金枝も、藤尾も、詩を書いてる」
「詩を書いて、どうするんだ」
「どうする!?」
驚いたように木部は半身を起したが、
「そうだな。どうもしない。海へ棄(す)てるんだ」
海へ棄てるという木部の言葉が洪作の心を捉(とら)えた。そのうちに、木部は欠伸(あくび)を二つ三つしたかと思うと、
「睡(ねむ)くなったな」
と言った。洪作(こうさく)も睡くなっていた。洪作もまた欠伸をした。寒くも暑くもなかった。日没にはまだ少し間があり、弱い春の陽がやわらかく砂浜の上に落ちている。波の砕ける音が次第に洪作の耳の中で遠くになって行った。
この後は、この完璧超人の木部が超絶気丈夫美人な寺の娘と出会い、恋に落ちつつも病で早逝してしまうという悲しい結末になってます。っていうネタバレをくらえー
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
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- Steps 70
- Scale 15.0
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- Steps 70
- Scale 15.0
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