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パパもママもおじいちゃんもいいから早く宿題手伝って

使用したAI ImageFX
夏休み最後の日の夕暮れ。蝉の声もひときわかまびすしく響く中、僕の机の上には、分厚いドリル、読書感想文の下書きすらない原稿用紙、そして観察日記の白紙ページが鎮座していた。絶望の空気をまといながら僕はつぶやく。

「……終わってない」

その瞬間、居間の明かりが落ち、どこからともなく威勢のいい声が響き渡った。

「フフフ……呼ばれて飛び出て、鉄人登場!」

スポットライトを浴びて現れたのは父。白衣にエプロンをかけ、手には大きな電卓。ナレーションが重々しく流れる。

――鉄人・父! 計算の鉄人。その頭脳は瞬時に九九を組み立て、連立方程式を料理のように解体する。理数系宿題の切り札!

続いて障子がガラリと開き、颯爽と現れたのは母だ。両腕には辞書と国語便覧を携え、赤ペンを構えている。

――鉄人・母! 言葉の鉄人。その筆致は鋭く、俳句から小論文まで自在に操る。読書感想文の女王、作文の覇者!

最後に低い笑い声とともに、祖父がゆっくりと姿を現した。手には古ぼけた虫かごと、何冊もの野鳥図鑑。

――鉄人・祖父! 自然観察の鉄人。数十年にわたる庭先の昆虫採集で鍛えた眼力は、観察日記を瞬時に仕立て上げる! 

三人が並んだ姿はまるで「料理の鉄人」そのもの。だが、目の前の僕は感動どころか、冷えきった表情で一言。

「……で? 手伝ってくれるんだよね」

父は大仰に電卓を叩きながらうなずいた。
「息子よ、算数は任せろ。お前のドリルは今宵、すべて料理される!」

母はメガネを光らせ、真剣な面持ちで告げる。
「感想文はこの私。言葉のスパイスを効かせて、最高の一品に仕上げてみせるわ」

祖父は虫かごを振りながらニヤリと笑った。
「カブトムシもクワガタも、ワシの記憶に山ほどいる。観察日記? お手の物じゃ」

こうして「鉄人三人衆」と僕の、壮絶な夏休み最終日の闘いが幕を開けた。

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