絵本『カペラとふしぎな夜のお茶会』
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●1枚め:
カペラは、星の名前をもらった、猫の獣人族の女の子です。
ある日、ダンスの練習の後に馴染みの食堂にあるカフェで一息ついていると、知り合いから夜のお茶会へのご招待が届きました。
「お茶会...今みたいにみんなでお茶をするのかな?」
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●2枚め:
招待状をくれたのは、知り合いの錬金術師アマーリアさんでした。しゃべる竜の、ダンテさんを連れています。
お茶会というのは、ロリィタファッションという、凝ったむかし風の服装が好きな人たちが集まる催しのことでした。
さらにこの「夜のお茶会」というのはそれだけはなくて...魔法使いや不思議な力の持ち主、様々な種族や、不思議な生き物たちが集まる、大きな集まりだったのです。
きちんと準備をしてから行かなければなりませんね。
「こんな感じでいいのかな...」
友達に聞いたりしながら、カペラは準備を整えました。
選んだのは、旅する黒猫に相応しい、黒が基調の衣装です。
日が傾いてきました。もうすぐ夜。様々な夜の秘密が動き出す、約束の時間です。
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●3枚め:
青白い月と不思議な光が照らす中を歩いて、ふしぎな夜のお茶会の会場は、大きな大きなお城でした。
むかし風の彫刻や絵が飾ってあったり、昼の世界とずいぶん違う気がします。
「あたし、来てよかったのかな...」
別の世界でさまざまな冒険をしてきたカペラも、今夜はいつもと違う服装で、最初は堅くなっていました。
誰だって、初めての場所は緊張しますからね。
でも大丈夫。すぐにしゃべる竜と、知っている顔がカペラを見つけてくれました。
「いたいた、旅する黒猫さんを発見したでやんす」
「いらっしゃい、カペラさん。よくお似合いですよ。ご案内しますね」
よく見ると、テーブルの上には美味しそうなお菓子やお茶が、もうたくさん準備してありました。
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●4枚め:
「うふふ、カペラさんはきっと、こういう場所は初めてですよね」
「美味しい...こんなに美味しいお菓子がたくさんあるなんて!」
カペラは目を輝かせてしまいました。実は、彼女は、別の世界から旅してきた異世界人で、カペラが生まれた世界には、食べ物の種類がこんなにたくさんはなかったのですね。
カペラが大好きなラーメンはさすがにありませんでしたが、アイスクリームはちゃんとありましたよ。
お茶会の会場は不思議な光で照らされていて、いろんな人たちがいました。魔法使いや、動物に姿を変えられる種族、動物の耳を持った種族、妖精や精霊、お化けのような種族...。
でもみんな、思い思いの服装をして、楽しくお喋りしたり、美味しいお菓子とお茶を楽しんだりしていました。
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●5枚め:
カペラはふしぎな夜のお茶会の、広い広い会場を見て回り、いろいろな人と話しました。
しゃべる竜のダンテさんのような、しゃべる動物も何匹も見かけましたね。
「あら可愛い。猫の国から来たようなお嬢さんがいらっしゃいますわ」
「ううん。あたしは猫の国じゃなくて...夏底の世界から旅してきたんです」
人々に聞かれたので、カペラは自分の故郷の話をしました。
いちど文明が滅んだ、廃墟で満ちた未来の世界。広いけれど寂しい、夏の空が広がる世界。
『晴天アポカリプス』とも呼ばれるその世界で経験してきた冒険と、門をくぐってこちらに世界に旅してきたことを。
ふむふむと、魔法使いの人たちは興味深そうに聞いていました。魔法使いはこういう話が好きのようですね。
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●6枚め:
カペラが慣れない帽子を直して休んでいると、声をかけてくる人がいました。
「まあ、まあまあまあ、付け耳でなくて本物の猫耳ですわ~! あなた、本物の猫の獣人族ですのね! ぜひお願いしたいことがありますの!」
「ねぇご主人様~。なんか酔っ払ってない? お茶会なのにどうして酔っ払えるの?」
赤いドレスに、くるくると巻いた金色の髪。帽子には赤い薔薇の飾り、こうもりの髪飾りもつけています。
おやおや、こうもりが好きな女の子はちょっと珍しいですね。
年はカペラより少し小さいぐらいでしょうか、まるでお人形のような可愛い女の子でした。
おやおや、けれども、口の中にしっかりと牙が見えています。
連れている白い動物は、人間のことばを喋る使い魔のようです。おやおや、こちらも犬なのか猫なのか、よく分かりませんね。
「(あの牙...本物だよね...) あたしに頼み??」
カペラは驚きました。金髪巻き巻きの女の子を見たアマーリアさんたちも少し驚いているようです。おやおや、知っている人なのでしょうか。
ナナシーと名乗ったその金髪巻き巻きの女の子は、期待をこめた目で言いました。
「夜が導く今宵こそが約定の時、わたくしたちをここに導き、出逢わせたのですわ。
お願い、記念に写真を撮らせてくださいな。その衣装で猫ポーズをして、ニャアと言ってくださらないかしら?」
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●7枚め:
「う、うーん...困ったな...なんだか恥ずかしいし...」
カペラは弱りました。前にもこちらの世界の友達に、そんなことを頼まれたことがあったのです。
カペラの生まれた世界では、猫の獣人族は語尾に「ニャア」を付けて喋ったりしませんでした。
どうもこちらの世界の人たちは、けもみみや猫耳に幻想を抱いているようですね。
ちらりと様子を伺うと、そのナナシーという金髪巻き巻きの女の子は、夜空に輝く星のように、目を輝かせてわくわくしながら待っています。
犬か猫かよく分からない使い魔も、きちんとお座りして待ち構えています。
話を聞きつけた周りの人たちも集まってきて、期待して待っていました。
「う、う~ん、ここで断ったら、可哀そうだよね...」
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●8枚め:
「じゃ、じゃあ...し、仕方ない...ニャア」
カペラがためらいながら猫ポーズをすると、拍手かっさいが巻き起こりました。
金髪巻き巻きの女の子の喜びようといったらそれはもう。興奮して翼を生やして、飛び上がらんばかりでした。
おや、背中に本物の翼が見えたような...。お付きの白い獣も翼を広げて祝っています。
「キャーっ! 極上ですわ! 最高ですわ! 可愛い女の子は世界の共通財産! 乙女の血の一滴に勝るとも劣らない極上の甘美! これで寿命が1年伸びましたわ~!」
「ねぇご主人様~。無限大に1を足しても無限大のままなんだけど、それはひょっとして、ギャグで言ってるの?」
よく分からない二人組でしたけど、喜んでいるのでよしとしましょう。周りのみんなもにっこり、見守っていたアマーリアさんとダンテさんもにっこりです。
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●9枚め:
その後もカペラはいろいろな人とお話をしたり、美味しいお菓子と紅茶を飲んだり、
またまた記念撮影をお願いされたりしながら...ふしぎな夜のお茶会の時間は過ぎていくのでした。
めでたしめでたし。
そうそう、あの賑やかだった金髪巻き巻きの、ナナシーという女の子はその後どうしたかって?
それはまた、別のおはなし...
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『カペラとふしぎな夜のお茶会』
~出演~
“旅する黒猫”こと黒羽カペラ
“星の杯の探索者”ことアマーリア・ガブリエリ
魔法の竜ダンテ
“金髪ドリル吸血鬼”ことナナシー・プリムローズ
白の魔獣ミルヒヴァイス
そしてこのふしぎな夜のお茶会にきっと参加したのだろうと想像した、皆さんのキャラクター
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~制作方法~
画像生成:Stable Diffusion XL
モデル:いつもの Shiitake-Mix v2 t2i+アップスケール 9枚とも加工、複数回生成の合成と過去作使い回しをしまくり (i2iは使用せず)
加工、合成、文字入れ、仕上げ:Affinity Photo 2, Affinity Designer 2
使用フォント:無料のGoogleフォントより、日本語は解星デコール(Kaisei Decol)、英文は Josefin Sans
ストーリー、文章、キャラクター:人間の頭脳 (ChatGPT等は不使用)
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~あとがき~
もしこの献上作品から何かインスピレーションのようなものを受けて、このお茶会の場面やその後日譚などなどを創りたくなったら...どうぞ自由に創って、「#ふしぎな夜のお茶会」タグでも付けてあげてください。😊
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【追記】2025年7月21日のデイリーランキング12位、SDXLで6位ありがとうございました~🎉
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
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- Scale 7.5
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- Strength 0.65
- Noise
- Steps 40
- Scale 7.5
- Seed 3839561783
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0.65