南の国で長期休暇・5
「この村の人は、若いうちに結婚するんですか?」
「んー、国の決まりでは18歳以上で結婚できることになってるけど、昔からここでは男女とも、子作りができる体になったら結婚してるよ」
「結婚は男1人と女1人のペア?例えば夫が2人いたりとか・・」
「ペアだよ。だいたい、女が夫を選ぶんだ。結婚したら夫婦の関係は絶対で、パートナー以外と関係を持ったら村の掟で厳しい罰があるんだよ」
「厳しいんですか・・」
「そのかわり、結婚前は自由でね。パートナー選びには相性も重要だから、未婚同士でお互いが嫌でなければ、誰が誰と『遊んで』いても気にすることはないね・・何より、ここは若者の娯楽が少ないからね・・それにしても、変な質問をするね、どうしたんだい?」
「・・実は・・」
「・・ああ、外の人は驚くだろうね。問題ない、あの子は結婚してない。まだ子を作れないからね。だから君が見たのは、この村ではありふれた婿選びか、そうでなければ若者の遊び、ということだよ」
「そういう文化ですか、うーん・・」
「すぐには理解が追いつかないだろうね。それより、あの子は君に来て欲しかったんじゃないか?それを逃げてきたのは、男としてどうだろうな」
「あー、やっぱり怒ってますかね?嫌われたかな・・」
「それはわからないけど、また誘われることがあったら、君さえよければ付き合えばいいと思うよ」
付き合う、かあ・・
昼の光景が何度もフラッシュバックされてモヤモヤを振り切れないまま、宿に帰って眠りについた
呪文
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